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研究内容

公募研究

公募研究 01(平成24年度採択):
Heterogeneous Quantum Repeater Hardware

研究代表者/慶應義塾大学・環境情報学部・准教授 バンミーター ロドニー

近い将来実際に運用される量子技術の中でも、量子リピータは冠絶な候補である。量子リピータを用いることによって、今までにない広域量子エンタングルメントを生成し、分散量子計算と量子通信を可能にすることで、物理学と我々の生活の両面において様々な革命をもたらすであろう。

従来の量子リピータの研究は、リピータハードウェア個々のデザインや、理想的なノードとネットワークで動作する通信プロトコル、あるいはその理論の開発に重点を置いてきた。現実的なハードウェアと複雑なネットワークを統合させる研究は困難な課題であり、未だ発展途上にある。しかしそれらを考慮しなければ、実現性の低いプロトコルが開発される恐れがあるとともに、物理実験の際の評価基準を指し示すことが難しくなってしまう。

故に、本研究では量子リピータのより複雑で現実的なハードウェアモデルに着目する。我々はリピータハードウェアの現実的な設計と通信プロトコルを内包することによって、詳細なリピータネットワークをシミュレートする。リピータノード内部では、超伝導磁束量子ビットとダイヤモンドの窒素-空孔複合体を組み合わせることにより量子NIC(network interface card)や量子メモリを作成する設計となっており、高品質なベルペアがどの程度の割合で生成できるのかを評価の指標とする。このシミュレーション結果によって実験的達成のための明確なロードマップを提示することが可能となり、リピータネットワークの実現性を向上させることに繋がるだろう。

詳細は「論文/出版物」ページをご覧ください。