多方向かつ段階的に進行する細胞分化における運命決定メカニズムの解明究領域略称:細胞運命制御

組織・研究内容

研究課題名
転写因子のクロストークおよびクロマチンリモデリングによるTreg分化機構の解明

丸山 貴司
研究代表者
丸山 貴司
東北大学・助教
研究室HPE-mail
連携研究者
牟田 達史
東北大学・教授

研究内容

 制御性T 細胞(Treg)は免疫制御において重要な役割を担うT 細胞であり、胸腺および末梢リンパ節 においてTransforming growth factor-beta (TGF-b) と呼ばれるサイトカインの刺激を通じて、naïve CD4陽性 T 細胞より分化誘導する事が知られている。

 一方、TGF-bとともにIL-6 などの炎症性サイトカイン刺激がnaïve CD4陽性 T 細胞に加わる事と、自己免疫疾患の増悪に寄与するIL-17 と呼ばれる炎症性サイトカインを産生するT 細胞 (Th17)に分化誘導する事が知られている。

 これら2つのT細胞群は、TGF-b刺激を介して免疫の制御あるいは増悪をコントロールしている事が知られており、その分子メカニズムについても、丸山らを含め様々な報告がなされている(2011. Nature Immunol)。

 申請者は、免疫恒常性維持を司る制御性T細胞の分化運命決定について、TGF-b刺激を介したTh17への分化バランスを考慮し、新たな転写制御因子を中心とした転写因子のクロストーク、および時間ごとにどのようなクロマチンの構造変化が認められるか(下図参照)に着眼し、本研究を遂行する。 

主な論文

* correspondence
研究代表者
丸山 貴司

Maruyama T, Li J, Vaque JP, Konkel JE, Wang W, Zhang B, Zhang P, Zamarron BF, Yu D, Wu Y, Zhuang Y, Gutkind JS, *Chen W.
Control of the differentiation of regulatory T cells and T(H)17 cells by DNA binding inhibitor Id3.
Nat Immunol. 12: 86-95, 2011.

Konkel JE, Maruyama T, Carpenter AC, Xiong Y, Zamarron BF, Hall BE, Kulkarni AB, Zhang P, Bosselut R, *Chen W.
Control of the development of CD8αα+ intestinal intraepithelial lymphocytes by TGF-β.
Nat Immunol. 12: 312-319, 2011.

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