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理化学研究所
今本細胞核機能研究室
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私たちの研究

真核細胞では遺伝子機能の場「核」が、タンパク質合成の場「細胞質」から核膜によって仕切られています。そのため、タンパク質やRNAなどの機能分子が、選択的に、しかも効率よく、核膜に存在する核膜孔複合体を介して核と細胞質の間を絶え間なく往来しています。このプロセスを担う核—細胞質間輸送は細胞が基本的に生きて上で必須なだけでなく、環境応答をはじめとするあらゆる細胞生理にとって重要です。核—細胞質間輸送を1つのシステムとして捉えること、また、そのシステム変化を環境応答や分化、老化などの細胞機能の変化に結びつけて理解することを目指しています。

真核細胞が進化の過程で獲得した核膜は、遺伝子を封入して機能因子を濃縮するだけでなく、高次クロマチン構築の重要な足場として遺伝子発現や複製と深く関わる細胞内構造です。高等真核生物では、細胞分裂期に崩壊した核膜が分裂終期に分配されたクロマチン上に形成されます。核膜形成は、核膜孔複合体因子、核内膜因子、並びに、核膜前駆体小胞の各々がクロマチンに集積して異なるクロマチン部位に局在していきます。間期でクロマチン構築の足場となる核膜は、形成する際にはクロマチンを足場にします。核膜が遺伝子編成に深く関わる所以の1つです。核膜が核膜孔複合体と協調して形成される仕組みを明らかにしていきます。

遺伝子が正確に複製されて分配される過程は生命現象の根幹であるとともに、増殖細胞の細胞周期の中で、クロマチンをはじめとする細胞核の構造が最もダイナミックに変化する過程です。自ら見つけた因子の解析から、この重要な細胞周期タイムポイントの、遺伝子・クロマチン動態研究に対して、新しく提起した問題から新展開を図ることを目指します。

核—細胞質間輸送反応の担い手は、核膜が存在しない細胞分裂期においても重要な役割をします(図参照)。1つの事象の理解が別の事象の理解に結びつくこともあれば、1つの事象を理解するためにはいくつもの事象に向けたアンテナが必要です。細胞の中で起こる反応の横と縦の繋がりを意識して、世界に向けて「オリジナル」な情報を発信していきます。

核—細胞質間輸送
核膜・核膜孔複合体の構造構築
クロマチン分配・複製

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