播磨研究所

藤嶋信夫

播磨研究所
所長 藤嶋信夫

事業所の環境方針

播磨研究所全景
播磨研究所全景

 播磨研究所は山々に囲まれた自然豊かな地に所在する、世界最高性能の放射光を発生することができる大型放射光施設“SPring-8”を有する最先端の放射光研究施設です。施設の整備にあたっては、播磨科学公園都市の『時間とともに成長する森の中の都市』をテーマとするアーバンデザイン計画に基づき、自然の地形や周囲との調和を尊重しつつ最先端の研究環境を実現しています。現在整備中のX線自由電子レーザー施設においても、太陽光発電設備や高効率型機器を導入するなど、環境に配慮した研究施設の整備を進めています。
 地元自治体のたつの市、上郡町、佐用町とは3市町懇話会を毎年開催し、SPring-8の最近の研究成果や環境保全の取り組みなどについての紹介や活発な意見交換を行っています。

研究と環境貢献

太陽光パネル
太陽光パネル

 SPring-8の発生する放射光により、従来の光では見ることができなかった物質の微細な構造や一瞬の変化、非常に微量な物質の分析が可能です。放射光は、環境科学はもちろん生命科学、物理科学、材料科学、地球科学など広範な分野の基礎研究から応用研究、さらには産業利用のための研究に利用可能です。
 例えば、高性能の排ガス触媒や燃料電池の開発、生体膜の原理を利用した高効率な太陽電池の開発などに利用されるなど、環境問題に大きく貢献しています。国内外の様々な分野の研究者にSPring-8を利用頂くとともに、人類未踏のX線領域のレーザー光であるX線自由電子レーザーのような新たな光の開発や、利用技術及び利用システムの高度化を通じて、環境科学分野の発展にもさらなる貢献ができると考えています。
 環境問題は地球規模の人類共通の問題であり、研究機関・研究者はその解決に寄与することを常に念頭に置くことが大切と考えます。一方で、電燈やパソコンのon—off、エアコンの定温設定など、個々人の認識・価値観の転換など個人レベルから始めないと解決できない問題でもあります。従って、誰でも今日から行動すべきことと考えます。