横浜研究所

大熊健司

横浜研究所
所長 大熊健司

事業所の環境方針 

横浜研究所は理研のライフサイエンス研究拠点として横浜に設置されて以来、今年で10周年を迎えました。
 横浜研究所の使命は、「生命」と「環境」に係る幅広い研究を総合的に行うことでありますが、その際、「環境保全」にも積極的に取り組み、特に以下について措置を講じてまいります。

1.省エネによる温室効果ガス発生の抑制
  • 太陽光発電設備・マイクロガスタービンの設置による自家発電の促進(年間発電量実績=93,607kwh)
  • 所内照明設備の消し忘れを防止する、人感センサーによる点灯/消灯制御装置、省エネタイプの照明器具等の導入
  • 電球のLED化
  • エネルギーの使用状況の見える化による職員の省エネ意識の向上
2.廃棄物の削減と環境汚染防止
  • 「横浜G30プラン」を目標とする一般廃棄物および産業廃棄物の削減
  • 生ゴミ処理機による排出量の削減、ならびに、食品残渣を有機肥料素材としてリサイクルする循環型社会-食品リサイクルネットワークの確立
  • 「使えるものは廃棄しない」-不要物のリサイクル化の促進
  • 研究系廃液の回収およびその徹底管理による周辺環境への影響を回避
ドングリ班による研究所周辺の清掃活動
ドングリ班による研究所周辺の清掃活動
3.キャンパス内外の環境整備
  • 敷地内の自然-緑環境の拡大をはかる構内美観委員会を設置
  • 研究所周辺の清掃活動、および「ドングリから森をつくろう活動」等、地域の環境改善活動への継続的参加
  • 今後も環境問題を意識した様々な提案を行い、横浜市や地域コミュニティーと連携し、自然環境から地域環境といった幅広い環境改善に積極的に取り組んで参ります。

研究と環境貢献

 横浜研究所は、「生命」と「環境」に関る研究を行なう拠点として、ゲノム、タンパクの研究から、ゲノムと疾患の関係を見出す研究、免疫・アレルギー研究まで幅広い研究を行なっていますが、その中でも、特に環境問題に直接的に関る研究として、植物科学研究と生命情報基盤研究を中心とした以下のような活動を行なっています。

1.高生産性・易分解性を備えたスーパー植物を開発し、バイオテクノロジーを活用した化学製品原料の効率的な「一気通貫合成技術」を確立

 植物の光合成機能の解明や葉緑体での反応過程における代謝物の解析を行ない、易分解性を備えた木質バイオマスを開発し、植物バイオマス生産から、化学製品材料やバイオプラスチックにつなげる一気通貫型の革新的なバイオプロセスの確立を目指します。

2.バイオテクノロジーを活用した化学製品原料の効率的な「一気通貫合成技術」の確立

 植物バイオマス生産から、化学製品材料やバイオプラスチックにつなげる一気通貫型の革新的なバイオプロセスの確立を目指します。
 [悪環境や低肥料で育種可能な植物を開発]
 乾燥や塩害など各種ストレス耐性を強化した植物を開発し、悪環境で育つ作物の開発や低肥料育種に貢献し、安定した食糧の提供を目指します。

3.苔植物を用いた重金属排水処理装置の開発

 鉛などの重金属やレアメタルを高濃度に蓄積する苔植物の探索と、苔植物の原糸体を用いた重金属排水処理装置の開発を目指し、DOWAホールディングス株式会社と共同研究を開始、土壌浄化や金属リサイクル技術の確立を目指しています。

4.「合理的ゲノム設計コンテスト(GenoCon)」の開催

 化石資源の少ないわが国において、多様な生物種のゲノム情報を資源として活用し、資源の増産につながる機能性植物を合理的ゲノム設計によって創出する技術開発を確立するため、「合理的ゲノム設計コンテスト(GenoCon)」を開催、「環境浄化作用を高める植物のゲノム設計」を世界中の科学者から募集し、情報合成生物学の集合知を形成していきます。
 更にこの中で、ゲノム科学、環境科学、バイオインフォマティクスなど幅広い分野における次世代を担う人材の育成にも貢献しています。

 このほかにも、横浜研究所が所有する様々なリソースや世界最先端の技術、大型研究施設などの重要基盤によって、企業や大学等との共同研究を通じて、広く環境問題の解決に貢献する必要があると考えています。