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【職員向けの「環境講演会」を開催しました!】

環境講演会

 当研究所では、毎年環境に関する「アクションプラン」を策定し、アクションプランに基づき様々な環境活動を行っています。平成22年度のアクションプランでは「職員の環境意識向上」を定め、具体的施策の一つとして「環境講演会」を開催しました。
 初めての試みとなったこの環境講演会には、東京大学大学院農学生命科学研究科(理化学研究所社会知創成事業バイオマス工学研究プログラム 客員主管研究員)の岩田忠久准教授を講師にお招きし、「未来を拓け!環境にやさしいプラスチック」をテーマに約1時間の講演をいただきました。

 日本では現在、年間1,500万tの石油由来のプラスチックが生産され、そのうちの1,000万tが廃棄されています。これらのプラスチックは、私たちの生活を豊かにしてくれた一方で、石油の枯渇やゴミ問題という環境・エネルギー問題の要因となっています。

 このような社会的背景を踏まえ、今回の講演では、トウモロコシなどのデンプン系作物を原料とするバイオマスプラスチックや、微生物のはたらきにより水と二酸化炭素に分解される生分解性プラスチックについて、その性質、期待される役割や現状の課題、さらに、研究の進捗状況や将来展望など、研究現場の最前線の知を俯瞰(ふかん)した、詳細な講演をいただきました。講演終了後には、質疑応答も行われ、岩田准教授のユーモアを交えながらも丁寧な回答に、会場は大きな笑いと拍手に包まれました。


 今後、環境にやさしいプラスチックの研究が更に進み、生産、使用、分解、再生産というサイクルを可能とする高機能なプラスチックが普及すれば、石油資源の枯渇、ゴミ問題といった、地球規模で懸念される環境問題の解決に向け大きく前進します。クリアすべき課題はまだまだ多くありますが、更なる研究の推進が期待されます。


 尚、環境講演会は和光事業所で開催されましたが、TV会議を通じ全事業所に中継されています。多くの職員の環境意識の向上の場としてはもちろん、環境学習の場としても毎年継続して開催していきたいと思います。