現在の主な研究



  古典的なセントラルドグマの考え方によれば、ゲノムDNAに刻まれた遺伝情報を最終的に遂行するのは機能分子であるタンパク質であり、RNAは単なる情報の仲介役です。 しかし、近年になってタンパク質に翻訳されない「ノンコーディングRNA」が高等真核生物のゲノムから大量に転写されていること、 それらが様々なレベルで遺伝子発現を調節する機能分子として働いている事などが明らかにされ、ノンコーディングRNAこそが生物の複雑さや多様性を生み出す原動力に なっているのではないかという魅力的な考え方が提唱されています。
  当研究室では大量に存在するノンコーディングRNAの中でも細胞の核内に蓄積して安定な構造体を形成するという ユニークな性質を持つ一群の遺伝子に注目し、その生理的な機能を実験生物学的な手法を用いて解明することを目指しています。興味深いことに、これら「核内構造性ノンコーディングRNA」は 進化の過程で高等真核生物でのみその存在が確認されています。 したがって、その物理化学的な性質を詳細に調べることによって、進化的に「新しい」生物における巧妙な核内制御機構が明らかにされることが期待されます。

詳しくはこちらをご参照ください。

 

3種類の核内高分子mRNA型ノンコーディングRNAの分布を蛍光in situ hybridizationで可視化したもの
緑がRNAの分布で紫がDAPIによる核染色。左から成体マウス大脳皮質の錐体ニューロンにおけるGomafuの発現、
マウス繊維芽細胞におけるMalat1およびMENの分布。
Malat1およびMENε/βはそれぞれ核スペックル、パラスペックルと呼ばれる核内ドメインに局在している。
 
個別のテーマに関する詳細は以下からどうぞ。
■ 新規核内noncoding RNA Gomafuの機能解析

■ Xist RNAの局在の制御機構について
     日本語版はこちらをご参照ください


これまで



  神経系の発生の過程においては、細胞内外の刺激によって展開される遺伝的プログラムに従って様々なプロセスが正確に実行されていきます。
適切な数の神経細胞とグリア細胞を生み出すために細胞の増殖と分化はどのようにコントロールされているのでしょうか。 また、どのようにして神経細胞はそれぞれの細胞タイプに応じた樹状突起形成を行ない、正しい相手とシナプスを形成する事が出来るのでしょうか。
  当研究室では、こういった問題にアタックするために、「遺伝子導入」が比較的容易に出来、 構成する細胞の性質についてもよく調べられている網膜をモデルとして研究を進めてきました。