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heusler
図 1:(a) ハーフ (C1b) 及び (b) フル・ホイスラー合金 (L21) の結晶構造. 原始的な乱れを含む構造 (c) B2 と (d) A2 も示してある [1].

理論的に提案されているハーフメタル (HMF) の中で、室温で100%のスピン分極率を達成する可能性が最も高いのはホイスラー合金である。それはホイスラー合金が一般に、III-V族半導体との高い格子整合性、室温以上のキュリー温度、フェルミ面近傍での大きなバンドギャップといった特徴を有するためである。ホイスラー合金はその結晶構造から大きく2種類に分けられる。すなわち図 2に示すように、XYZ という C1b 構造をとるハーフ・ホイスラー合金と、X2YZ という L21 構造を示すフル・ホイスラー合金に分類される。ここで、XとYは遷移金属、Zは半導体もしくは非磁性金属である (図 2参照) [1]。L21 構造の単位格子は4つの面心立方格子 (fcc) からなり、そのうちの1つのX原子を取り除いた構造が C1b である。ホイスラー合金は原子配列の乱れによってハーフメタル性を失うことが知られており、L21 構造においてYとZ原子間で乱れが生じると B2 構造に変化し (Fig. 1(c))、さらにX原子との間にも乱れが生じると最終的に A2 構造に変化する (Fig. 1(d))。

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図 2:ホイスラー合金の主な構成元素 [1].

[1] P. J. Webster and K. R. A. Ziebeck, "Heusler Alloys," in Landolt-B_rnstein New Series Group III, Vol. 19C, H. R. J. Wijn (Ed.) (Springer, Berlin, 1988) p. 75.

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