Dr. Taro Yamada         

 

山田グループ実験室

 

*物質科学研究棟

 


 

建屋外観

表面化学研究室は、1階の3実験室と、3階の4実験室を使用。

1階は主にSTM関係(振動を嫌う)、3階は化学処理、装置製作と大気中トンネル発光STM等。


 

HREELS(高分解能電子エネルギー損失分光装置)

 

固体表面の振動スペクトルを超高感度で観測できるパワフルな装置。

既に数多くの論文の実験に活躍。


 

XPS/UPS (X線・紫外線光電子分光装置)

 

表面科学定番の表面元素分析および電子状態分析用超高真空装置。X線源、UVランプ、半球型電子アナライザー、Q-MassLEED、イオンガン、固体試料蒸着源等を装備。

ここの装置は、サンプル導入及びサンプル作製のため、度重なる改造を加え、大変清浄かつ迅速な操作が可能である。例えば、サンプルを空気中から導入して、真空中で測定するまで、最速5分ほどで可能。現在進行中のアルミニウム不動態化の試料評価に活躍している。

 


 

低温STM装置(トンネル発光計測装置付き、生体分子向け)

 

液体ヘリウム冷却(4K)で動作可能の超高真空STM装置。この装置にはトンネリングギャップで発生する微弱なトンネル発光を観測できる、液体窒素冷却CCD分光器が取り付けられている。猪野大輔博士がかつてPTCDA/Ag(111)表面のトンネル発光の観測に使用。現在は蛍光タンパクRFP(レッドフルオレッセントプロテイン)の観測に向けて邁進中。

試料作成のためのイオンガン、蒸着源、及び溶液スプレー装置を装備。


 

 

有機化学処理用ドラフト

 

 

 

 

表面処理、ことにケイ素ウエハの前処理や有機合成的吸着種作製に使用。Si(111)のメチル終端面をはじめ、無数種類の有機単分子層がここで作製された。

 

 


 

ガス中STM(トンネル発光計測装置付き)

 

 

 

生体物質は殆どが水溶液中で活性を示すものなので、STMも溶液中で動作させる。

トンネル発光の場合は、STM動作時の雰囲気を制御することで、生体物質の活性を維持した状態で観測を目指す。この装置も、トンネルギャップから発生する微弱な可視光発光を検出する液体窒素冷却CCD分光器を備える。なかなか困難な実験だが、このたびついに蛍光タンパク分子のトンネル電子励起発光の検出に成功した。

 


 

 

ガス中STMのグローブボックス

 

 

 

グローブボックス内は乾燥窒素でパージして、湿度を下げて使用する。これは、基板表面(金属)の表面を酸化や汚染から防護し、かつ生体物質の活性を可能な限り維持するためである。

 

 


 

ガス中STMのスキャナー及び光検出用光ファイバー

 

 

 

STMVeecoNanoscope Eを一部改造して使用。トンネルギャップに直径1mmの光ファイバーを、顕微鏡カメラでモニターしながら近接させて、光学アライメントを正確にし、測定確度を高めている。