2016年2月29日
実験動物の微細振動検出方法および検出システム
理研No. 08388
発明者
吉田 崇将(行動遺伝学技術開発チーム)
背景
神経疾患の症状として手足の震えを来すものにパーキンソン病の他に本態性振戦があります。振戦を引き起こす病態モデルとしてマウスなどの実験動物が用いられますが、客観的かつ系統的に振戦を検出・評価するシステムは存在していませんでした。
概要
本態性振戦のモデルと考えられるネトリンG2遺伝子ノックアウトマウスの微細な振戦を客観的に検出するために、振戦検出装置ならびに検出アルゴリズムを開発しました。これによって目視では判別しにくい微細な振戦も検出することができました。
同様に、低用量の薬剤(ハルマリン)を用いて誘発した微小な振戦も検出可能であることを証明しました。
図1:振戦検出器および検出アルゴリズム
図2:本態性振戦モデルマウスの振戦
図3:薬剤(ハルマリン)誘発振戦
利点
- これまで識別できなかった遺伝子改変や薬剤投与で生じる微小な振戦を検出可能
- 装置が簡便であるため、安価に大規模な検査システムが構築可能
応用
- 医薬品等の開発段階での副作用の有無の評価
- 遺伝子改変による神経機能への影響の定量解析
- 小動物のさまざまな行動(歩行、驚愕反応、ストレス性振戦など)の定量解析
文献情報
- 1.特願2015-096458
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