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2016年1月25日

効率的に試行錯誤する方法 - 意思決定の物理原理 -

理研No. 24113

発明者

金 成主、青野 真士、行田 悦資、原 正彦(揺律機能研究チーム)

背景

私たちは日常の様々な選択からビジネスの重大な決断に至るまで、より良いものを選ぶための「意思決定」を行っています。最近のビッグデータ技術は、過去に発生した事例を統計的に解析し、最も効果的と思われる選択肢の判定を可能にしつつあります。しかし、データベースに残るのは「過去」の情報であり、想定外の新しい事態が発生する「現在」の決断には、必ずしも有効ではありません。こうした状況では、「効率的」に試行錯誤する必要があります。

概要

効率的に試行錯誤するには、過去の試行で得られた情報を重視する方針と、より良い新たな選択肢を探索する方針とを上手くバランスさせることが重要です。単細胞生物の情報処理原理の研究を通し、知性をもたない物質であっても、その体積が保存される性質さえあれば、効率的な意思決定を実現できることを発見しました。この「綱引き原理」と名付けられた方法は、従来の意思決定アルゴリズムより効率性と適応性の面で優れた性能をもつことがわかりました。

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図1:多本腕バンディット問題

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図2:コグニティブ無線(応用例)

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図3:綱引きダイナミクス

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図4:パフォーマンス比較

利点

  • 正しい意思決定のためのコストと時間を低減
  • 状況の変化に対しても迅速に適応
  • 単純なハードウェア(物理デバイス)で実装可能

応用

  • 効率的試行錯誤が必要な全ての応用(人工知能、情報通信など)
  • クリニカルトライアル
  • 無線通信(利用可能チャネルを高速に判断)

文献情報

  1. 特願2013-066768, PCT/JP2014/001506
  2. S.-J. Kim et al., BioSystems 101, 29-36 (2010)
  3. S.-J. Kim and M. Aono, NOLTA 5, 198-209 (2014)
  4. S.-J. Kim et al., New J. Phys. 17, 083023(2015)
  5. 加藤, 金, 黒田, 長谷川, 信学技法115(284), 45-49 (2015)

関連情報

  1. 60秒でわかるプレスリリース
  2. 報道発表資料

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