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2012年12月28日

研究成果で見る理研の2012年

今日は仕事納め。ということで、この1年を理研発の研究成果で振り返りたいと思います!今年もたくさんの成果を発表しました。なかでも反響の大きかったのは……

  • 3個目の113番元素の合成を新たな崩壊経路で確認(9月27日)
3個目の113番元素の合成を新たな崩壊経路で確認

2004年、2005年に続き3個目の113番元素の合成に成功!これまでの2個とは異なる経路をたどってα崩壊をしたことから、113番元素合成のより確かな証拠となりました。現在、国際機関が、誰が新元素を発見したのか、その優先権を審議中です。優先権が認定されると、新元素に名前を付けることができます。まさに「人事を尽くして天命を待つ」です。近い将来、元素周期表に日本発の名前が刻まれるかもしれません。

この成果について、『理研ニュース』2013年1月号(1月8日発行)で詳しく紹介する予定です。お楽しみに!

【関連情報】
『理研ニュース』2012年11月号(SPOT NEWS)「3個目の113番元素の合成に成功」

  • 安全性の高いiPS細胞を国内外の大学・研究機関へ提供開始(8月23日)
  • ヒトES細胞から立体網膜の形成に世界で初めて成功(6月14日)
  • iPS細胞を経由せずに特定の機能を持つ細胞作製に成功(3月14日)
  • 化学固定化したフィーダー細胞がマウスiPS細胞の培養にも適用可能に(3月3日)
  • 体細胞クローン作製の成功率が低い原因を解明(1月25日)
3個目の113番元素の合成を新たな崩壊経路で確認

今年のノーベル生理学・医学賞に、京都大学・山中伸弥教授の「人工多能性幹細胞(iPS細胞)の作製」が選ばれました。理研でも、iPS細胞やES細胞(胚性幹細胞)を使った研究が進んでおり、関連するプレスリリースを行いました。
また、理研発生・再生科学総合研究センター(CDB)が推進しているiPS細胞を利用した加齢黄斑変性治療の臨床研究の動向が注目されています。一刻も早くiPS細胞を使った再生医療が実現することを期待したいと思います。

  • スーパーコンピュータ「京」9月28日から共用開始(9月27日)
  • スーパーコンピュータ「京」が完成(7月2日)
スーパーコンピュータ「京」

2011年に計算性能世界1位を2期連続で獲得したスーパーコンピュータ「京」の共用が、今年9月から開始されました。「京」は産業にどのように役立ち、私たちの社会や暮らしに恩恵をもたらしてくれるのでしょうか。「京」でシミュレーションを行い、革新的な環境性能を持つタイヤを開発して、社会に貢献しようとしている住友ゴム工業株式会社の取り組みを『理研ニュース』2013年1月号(1月8日発行)で紹介する予定です。お楽しみに!

  • XFELの時間幅“1000兆分の1秒”の評価手法を開発(9月20日)
  • 日本発「コンパクトXFEL」SACLAの有用性、世界が認識(6月25日)
  • X線自由電子レーザー施設SACLA(さくら)が3月7日から供用開始(3月6日)
X線自由電子レーザー施設

今年3月から供用が開始されたX線自由電子レーザー施設「SACLA」。夢の光と呼ばれていたX線自由電子レーザーは、今まで見ることができなかった原子や分子の超高速かつ超微細な世界を映し出します。来年はSACLAを使った研究成果をお届けできるかもしれません。ご期待ください!

【関連情報】
『理研ニュース』2012年5月号(特集)「SACLAで本当に実らせたいもの」

  • 国際プロジェクト「ENCODE」がヒトゲノム機能の80%を解明(9月6日)
国際プロジェクト「ENCODE」がヒトゲノム機能の80%を解明

ゲノムの実体であるDNAには遺伝子があり、その情報がRNAに転写されてタンパク質がつくられます。ヒトゲノムは2003年に解読完了が宣言されましたが、その時点では遺伝子はDNA全体の約2%にすぎず、大半は「がらくた」と考えられていました。しかし、ヒトゲノムの80%の領域に、生命維持に関わる重要な機能があることが明らかとなりました。この成果は、米国の科学雑誌『Science』が発表した今年の10大ニュースにも選ばれました。

【関連情報】
『理研ニュース』2012年11月号(SPOT NEWS)「ヒトゲノムの80%に機能」

  • ヒトの血液から簡単に「体内時刻」を調べる手法を確立(8月28日)
ヒトの血液から簡単に「体内時刻」を調べる手法を確立

体内時計が狂っているかどうかを調べるには、長時間の拘束、何回もの血液採取が必要でしたが、たった1日2回の血液採取で体内時計を簡単に調べる手法が確立されました。時差ぼけや不眠に見られる体内時計の異常の診断や、最適な時間に投薬することで最大の治療効果を得る「時間治療」などへの貢献が期待されます。

【関連情報】
『理研ニュース』2012年11月号(SPOT NEWS)「ヒトの血液から簡単に“体内時刻”を測定」

  • 体を傷つけず、PETで難治性乳がんを診断(6月5日)
体を傷つけず、PETで難治性乳がんを診断

治療薬そのものをPET(陽電子放出断層画像法)のイメージ診断薬として用いました。これは「診る」と「治す」をひとつのツールで同時に行うもので、すでに臨床研究も始まっています。 診断、治療、予後観察の一連の医療を統合する「セラノスティックス」という言葉が、近い将来、当たり前のように使われる日が来るかもしれません。

【関連情報】
『理研ニュース』2012年8月号(SPOT NEWS)「難治性乳がんの画期的な画像診断法を開発」

  • 気分測定システム「KOKOROスケール」を開発(3月1日)
気分測定システム「KOKOROスケール」を開発

近年、疲労や抑うつ気分、意欲に関する脳科学研究が進展し、心理的な変化を定量的なデータとして扱う必要性が増しています。今年、従来の手法では難しかった時々刻々と変化する「心の動き」を数値化する新しい手法が理研で開発されました。それが「KOKOROスケール」です。メンタルヘルス対策や商品の満足度評価など、マーケティングツールへの応用も期待されます。

【関連情報】
『理研ニュース』2012年5月号(SPOT NEWS)「心の動きの変化を数値化する“KOKOROスケール”を開発」

  • インフルエンザウイルス検出に期待の新技術が登場(1月26日)
インフルエンザウイルス検出に期待の新技術が登場

従来のインフルエンザウイルス簡易検査キットに比べ約100倍という高感度で、かつ40分以内と短時間でウイルスを検出する方法を開発し、臨床研究でその有効性を実証しました。インフルエンザ治療薬「タミフル」耐性型や新規変異ウイルスの検出にも応用可能です。新たなパンデミックの拡大防止に貢献すると期待されています。

  • 遺伝子多型を組み合わせ日本人のための前立腺がんリスク診断法を開発(10月11日)
  • 日本人アトピー性皮膚炎発症に関連する8つのゲノム領域を発見(10月8日)
  • 東アジア人集団における腎臓機能の個人差の原因を解明(7月16日)
  • 難治性の骨疾患「短体幹症」の原因遺伝子を発見(7月13日)
  • 肝臓がん27例の全ゲノムを解読(5月28日)
  • 2型糖尿病発症に関わる遺伝子領域ANK1を発見(3月28日)
  • 関節リウマチ発症に関わる9つの新規遺伝子領域を発見(3月26日)
  • 川崎病の発症に関わる3つの遺伝子領域を新たに発見(3月26日)
  • 前立腺がんの発症に関わる4つの遺伝子多型を新たに発見(2月27日)
  • 東アジア人集団の肥満の個人差を左右する遺伝子を同定(2月20日)

今年も一塩基多型(SNP)に関する成果を多数発表しました。昨年は5件、今年は10件と倍増しました。オーダーメイド医療の実現を目指し着々とSNPの解析が進んでいます。発表内容はシンプルですが、その答えを導き出すまでに扱うサンプル数は膨大…… 研究現場の大変さをひしひしと感じます。来年は何件発表することになるでしょうか。

その他のプレスリリースは(↓)をご覧ください。
http://www.riken.jp/r-world/info/release/press/2012/index.html

来年もたくさんの研究成果をお届けしたいと思います。
それでは皆さま、良いお年をお迎えください!


2012年2月13日
インフルエンザ