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2013年12月27日

2013年、世間を沸かせた研究成果

2013年は皆さんにとってどんな一年でしたでしょうか?
今年も基礎研究から応用研究にいたるまで、理研の研究者から数多くの研究成果が発表されました。
新聞掲載数、ホームページアクセス数などを基に、反響の大きかった研究成果を発表順に紹介させていただきます。

がん細胞を殺すT細胞をiPS細胞化し若く元気なT細胞に再生 (1月4日)

がん細胞を殺すT細胞をiPS細胞化し若く元気なT細胞に再生

がん抗原を認識するT細胞からiPS細胞を作製、さらにこのiPS細胞から抗がん能力をもつ大量の元気なT細胞を取り作り出すことに成功しました。iPS細胞を利用することで、がんに対する免疫療法が劇的に変わる可能性が出てきました。

タバコを吸いたい気持ちを自己制御する2つの脳部位を発見 (1月29日)

タバコを吸いたい気持ちを自己制御する2つの脳部位を発見

ヘビースモーカーの方から「長時間のフライトでもタバコは我慢できるけど、着陸後に吸えると思うと落ち着かなくなる」ということを聞きます。これは、体内のニコチン欠乏のせいだけでなく、欲求行動に関わる脳活動の影響を強く受けているからだそうです。今回、「喫煙欲求が脳のどこでどう行われるのか」、その脳活動に関わる脳内の2つの部位が特定されました。

「滲出型加齢黄斑変性に対する自家iPS細胞由来網膜色素上皮シート移植に関する臨床研究」の厚生労働省への申請について (2月28日)
「滲出型加齢黄斑変性に対する自家iPS細胞由来網膜色素上皮シート移植に関する臨床研究」の研究開始について (7月30日)

iPS細胞

iPS細胞は、昨年山中先生のノーベル賞受賞、CDBのiPS細胞の臨床研究計画と、大きな話題を呼びました。年が明けた2013年2月下旬、理研は臨床研究に向け厚生労働省に研究計画を申請、7月中旬に厚生労働大臣から承認、7月下旬に機関決定を経て、8月から臨床研究がスタートし、今年もiPS関連の発表が話題となりました。

1匹のマウスから500匹以上のクローン作出に成功 (3月8日)

1匹のマウスから500匹以上のクローン作出に成功

クローン羊「ドリー」が誕生したのが1997年。ただ、西遊記の孫悟空のように自分の毛から分身(クローン)を大量に作るというわけにはいきませんでした。また、クローン動物から再びクローン動物を作り出す連続核移植(再クローニング)は困難で、世代を超えた遺伝情報の伝達は数回で途切れていました。再クローニングの成功率を高めたこの成果により、いずれ絶滅危惧種のクローンを作り出すことができるかもしれません。

ブラックホールに落ち込む最後の1/100秒の解明へ (4月4日)

ブラックホールに落ち込む最後の1/100秒の解明へ

天体用語は、原理や詳細は知らなくても言葉は聞いたことがある、ということが多いと思います。その代表格ともいえる「ブラックホール」は、実はいまだに直接的に観測されたことはないそうです。X線観測衛星「すざく」に搭載した高感度の「硬X線検出器」を用いた観測により、ブラックホール存在の直接証明に一歩近づきました。

白血病再発の主原因「白血病幹細胞」を標的とした低分子化合物を同定 (4月18日)

白血病再発の主原因「白血病幹細胞」を標的とした低分子化合物を同定

急性骨髄性白血病は、遺伝子異常が原因で起こる再発率が高い血液がんです。再発を防ぎ、根治に導く治療法の開発が強く求められています。今回、白血病幹細胞に発現する「リン酸化酵素(HCK)」を治療標的に選び、HCKの活性を最も強く阻害する化合物「RK-20449」が同定されました。この成果は、新しい治療薬の開発に道を開きました。

ニホンウナギから人類初のビリルビンセンサー (6月14日)

ニホンウナギから人類初のビリルビンセンサー

夏バテや疲労などに効果がある滋養強壮の代表的食材「ウナギ」には、食べる以外にも有効利用があります。理研の研究チームは、ニホンウナギの筋肉にある緑色蛍光タンパク質の遺伝子の正体を突き止め、「UnaG(ユーナジー)」と名付けました。このUnaGの特性を利用して開発した蛍光試薬は保存や扱いが簡単です。今後、ヒトの健康および疾病を診断する試薬としての活用が期待できます。

1滴の血液からクローンマウスを誕生させることに成功 (6月26日)

1滴の血液からクローンマウスを誕生させることに成功

体細胞核移植クローン技術は、畜産分野、絶滅危惧種の保存などへの応用が期待されています。しかし、従来法ではドナー細胞を臓器から採取するため、手術により採取しなければならない場合が多いのが課題でした。今回、マウスへの負担をできるだけ軽くし、短い時間でわずか1滴の血液から体細胞クローンマウスを作り出すことに成功しました。

小型中性子源システムで鋼材内部腐食を非破壊で可視化することに成功 (9月9日)

小型中性子源システムで鋼材内部腐食を非破壊で可視化することに成功

鉄鋼材料などは、水によって腐食しないようにするために塗装をします。塗装は永久にもつわけではないので、定期的な塗り替えなどが必要になりますが、多くの手間やコストがかります。そのため、新しい塗装法などが開発されていますが、そもそも、どのように内部腐食が起きているのか、その詳細はブラックボックスでした。理研が開発したRANSという装置を用いて、中性子ビームを鉄鋼材料にあてることで、そのブラックボックスの一端が明らかになりました。

「京」を利用した世界初の超高解像度全球大気シミュレーションで積乱雲をリアルに表現 (9月20日)

「京」を利用した世界初の超高解像度全球大気シミュレーションで積乱雲をリアルに表現(

これまで、計算性能のランキングばかりが注目を浴びていた「京」ですが、徐々に成果が出てきました。従来、詳細な表現が難しかった積乱雲を非常にリアルに表現することに成功しました。全地球を630億個の格子で表しました。格子の一辺の長さは870mです。これにより、一つひとつの積乱雲から全球規模の積乱雲群との相互の関係をより正確に調べることが可能となり、台風や、集中豪雨などの発生メカニズム解明に寄与すると期待できます。

上記に挙げた以外にも注目を浴びた研究成果が数多くありました。脳科学総合研究センターからは、アルツハイマー病治療の革新的技術になるかもしれない成果や、抱っこして歩くと赤ちゃんが寝つくことや過去の記憶が誤ってしまうことなど、経験的に知っていたことを科学的に実証・解明する成果がありました。また、発生・再生科学総合研究センターからは、独特な姿・形をしているカメの進化をゲノムから解明したり、簡単に試料を透明にする試薬を開発したり、知的な好奇心をくすぐる成果がありました。

脳科学
アルツハイマー病の血管からの投与による遺伝子治療実験に成功 (3月18日)
抱っこして歩くと赤ちゃんがリラックスする仕組みの一端を解明 (4月19日)
記憶の曖昧さに光をあてる (7月26日)

発生・再生科学
ゲノム解読から明らかになったカメの進化 (4月29日)
簡便で生体試料にやさしい組織透明化試薬「SeeDB」を開発 (6月24日)

その他の研究成果はプレスリリース(研究成果)のページをご覧ください。

来年もたくさんの研究成果をお届けしたいと思います。
それでは皆さま、良いお年をお迎えください!


2013年12月26日
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