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花栗哲郎博士のおすすめ書籍

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花栗哲郎 チームリーダー

創発物性科学研究センター 創発物性計測研究チーム

東京都出身。1993年東北大学工学研究科博士課程修了。東京大学助手、助教授を経て、2004年理研先任研究員。2013年より現職。超伝導のような面白くて役に立つ現象が、物質の電子状態とどのように関係しているのか実験的に調べてきた。未知の現象を発見することが目標。

おすすめ書籍

  • 『現代の冒険』

    クリス・ボニントン(著)、田口二郎、中村輝子(訳) 岩波書店 1988(絶版)
    上巻 Amazon
    下巻 Amazon

  • 『フェルマーの最終定理』

    (新潮文庫)サイモン・シン(著)、青木薫(訳) 新潮社 2006 Amazon 紀伊國屋書店

  • 『論文捏造』

    (中公新書ラクレ)村松秀(著) 中央公論新社 2006 Amazon 紀伊國屋書店

『現代の冒険(上・下)』
山登りにのめり込んでいた学生時代に出会った本。著者は著名な登山家ですが、本書は山だけでなく、極地、海、等、様々なジャンルの冒険記録オムニバスです。特に、最終章を「宇宙」に充てていることが、本書をユニークにしています。宇宙へ向かうことは、確かに肉体的精神的に苛酷な冒険ですが、それは同時に科学技術の冒険でもあります。研究という科学のフロンティアへの挑戦は、「現代の冒険」なのかもしれません。

『フェルマーの最終定理』
私のような平凡な研究者にも、時に「わかった!」という瞬間が訪れ、幸福感に包まれることがあります。このような科学的幸福感を、純粋に、大きく感じられるのが数学の研究かもしれません。(数学は苦手なので想像ですが・・・。)まして、フェルマーの最終定理の証明がわかったとしたら!本書は、フェルマーの最終定理の解説として楽しめるのはもちろんですが、証明したワイルズが味わった幸福感のリアリティが圧巻です。

『論文捏造』
悲しいことに、研究の世界には光だけでなく研究不正という闇があります。理研で起きたSTAPの問題は、今も私の心から去ってくれません。本書は、物理研究のメッカだった米国ベル研究所の研究者が十数年前に起こした大きな研究不正を客観的に分析し、闇の背景に迫っています。研究者が仙人でいられた時代が終わり、社会との関りがますます重要になっている今日、科学研究とは何か、どうあるべきか、考えさせられる本です。