広報活動

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2009年7月22日

独立行政法人 理化学研究所

RNAを12色でライトアップ、リアルタイム観察を実現

-マルチカラーを使って、生きた細胞のRNAイメージング確立へ-

標的の核酸と結合すると蛍光発光する人工核酸

生体内で起きている生命現象を正確に理解するために、蛍光タンパク質を用いた蛍光標識技術が進歩してきています。細胞に蛍光タンパク質そのものを導入したり、蛍光タンパク質を発現する遺伝子をDNAに組み込んで、がんなどの病気や脳神経の活動を知ることで、病気の治療や予防など臨床現場にも成果をもたらし始めました。しかし、生命の設計図として機能するDNAや生命現象において重要な役割を担うRNAの働きを、直接、観察することはいまだ実現しておらず、大きな課題となっています。

細胞内RNAのマルチカラーライブセルイメージング

基幹研究所岡本独立主幹研究ユニットは、特定の配列を持つ核酸を認識・結合すると、その場合に限って蛍光を発する人工核酸を開発し、生きた細胞の中のRNAの振る舞いをリアルタイムで観察することに成功しました。

これまで、分子サイズの小さいRNAを、蛍光タンパク質で蛍光標識するのは困難でした。研究チームは、励起子相互作用という色素会合体特有の機能を持っている有機蛍光分子を核酸に組み込んだ人工核酸を作製しました。この人工核酸は、目標とするRNAなどの核酸を認識・結合した場合だけに蛍光を発します。結合が外れると蛍光が消えるため、蛍光のオン・オフを自在に制御できます。今回、12色の蛍光色素を組み込み、青色から赤色にいたる12種類の人工核酸を作製し、複数の核酸を同時に観察することに成功しました。生きた細胞の中でのRNAの挙動を観察し、その機能を解明することが可能になると注目されます。

理化学研究所
基幹研究所 岡本独立主幹研究ユニット
独立主幹研究員 岡本 晃充(おかもと あきみつ)
Tel: 048-467-9238 / Fax: 048-467-9205