広報活動

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2009年8月26日

独立行政法人 理化学研究所
財団法人高輝度光科学研究センター

電子ビームを数千倍に圧縮、高品質レーザー生成を裏付け

―X線自由電子レーザー(XFEL) の小型化を促進する革新的アイディア―

電磁石シケインを用いたバンチ圧縮の模式

X線とレーザー、優れた2つの光の特徴を合わせ持つX線自由電子レーザーは、オングストロームという空間分解能やフェムト秒の時間分解能をもち、21世紀を照らす新たな光として、日・米・欧で開発競争が激化しています。

このレーザー光は、これまでに探ることができなかった未知の現象を解明し、ライフサイエンスやナノテクノロジー分野に革新をもたらすものとして、世界の研究者や産業界から大きな期待を寄せられています。

わが国独自のX線自由電子レーザー(XFEL)開発を進めている理研とJASRI共同の組織、X線自由電子レーザー計画合同推進本部は、レーザー源となる電子ビームを効率よく数千倍に圧縮して、高品質化する手法を考案、その有効性を計算機シミュレーションで裏付けました。欧米と異なり、短い距離で電子を効率的に加速することができるC-band高勾配加速システムや、真空槽の中に配置した強力な磁力で明るい光を生み出す短周期真空封止アンジュレータなど、独自のシステムを組み込むことでXFELのコンパクト化が実現します。プロトタイプ機であるSCSS試験加速器では、極紫外線領域の安定なレーザー発振に成功していますが、XFEL実機の光特性向上のためには、SCSS試験加速器で実現したビーム電流を、さらに一桁以上引き上げる重要性が明らかとなりました。

このために、 合同本部の開発チームは、電子ビームを数千倍に圧縮して電子密度を高める新たな手法を開発し、その有効性を計算機シミュレーションで裏付けることに成功しました。世界最小のXFELの光性能と安定性を飛躍的に向上させるとともに、XFELの将来のさらなる小型化に向けた原動力となります。