広報活動

Print

2012年10月8日

独立行政法人理化学研究所

日本人アトピー性皮膚炎発症に関連する8つのゲノム領域を発見

-ゲノムワイド関連解析でアトピー性皮膚炎の遺伝要因を解明-

アトピー性皮膚炎に関連する8つのゲノム領域

アトピー性皮膚炎は、かゆみを伴う慢性湿疹の症状が特徴の病気です。患者の多くが遺伝的なアトピー体質をもっていて、ひっかくことで悪化します。食物などもアレルゲン(抗原)となって皮膚炎に影響することもあります。自然が多い環境に比べ、ストレスが多い都市環境で起こりやすい病気です。両親がアトピー性皮膚炎や小児ぜんそくをもっていると、その子供はアトピー性皮膚炎が発症しやすいと言われています。

アトピー性皮膚炎の遺伝的要因を明らかにして病態を解明するため、ゲノム医科学研究センターを中心した共同研究グループは、ゲノムワイド関連分析(GWAS)を行いました。日本人のアトピー性皮膚炎患者1472人と非患者7971人を対象に、ヒトゲノム全体に分布する約60万個の一塩基多型(SNP)についてGWASを行い、アトピー性皮膚炎の発症と関連しているSNPを探索しました。また、別のアトピー皮膚炎患者1856人と非患者7021人について追認解析をし、再現性を確認しました。その結果、新たに8つのゲノム領域が、アトピー性皮膚炎へのかかりやすさに強く関連していることが分りました。

これらのゲノム領域には、獲得免疫、炎症抑制、やビタミンDの代謝に関連する遺伝子に加え、アレルギー炎症との関連があると思われる遺伝子群が数多く含まれていました。さらに気管支ぜんそくと共通の疾患関連の領域も見つかりました。

今回の発見は、臨床研究での仮説の立案や治療標的分子の絞り込みに役立つと期待できます。

理化学研究所
ゲノム医科学研究センター 呼吸器疾患研究チーム
チームリーダー 玉利 真由美(たまり まゆみ)
研究員 広田 朝光(ひろた ともみつ)