広報活動

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2013年1月10日

独立行政法人理化学研究所
株式会社ダ・ビンチ

太陽光の熱を朝日から夕陽まで回収し効率よく発電

-熱電併給システムを考案、2013年夏に試作機で検証-

フレネル・サン・ハウスとロータリー熱エンジンの図

フレネル・サン・ハウス(右)とロータリー熱エンジン(左)

環境に負荷をかけない再生可能エネルギーが注目されています。しかし、風力発電やソーラーパネル発電にも課題があります。最大の課題は必要な時に必要な電力を供給できるかどうか。どちらも天候の成り行き次第という不安定さを抱えています。安定した供給を可能とするための蓄電装置も開発が進んでいますが、まだまだ高価です。また、ソーラーパネルの材料には重金属が使われているため、廃棄が難しいという問題もあります。

こうした問題を一挙に解決するため、太陽光熱を利用する発電・熱供給システムを理研の研究者が考案しました。仕組みはいたってシンプル。太陽光の熱を効率良く集め、タンクの水を温めて蓄熱し、必要な時にこの熱を取り出して発電と給湯を行うというもの。太陽が出ている時は、朝日から夕陽までどの角度からの太陽光も回収できるよう、同心円状に刻んだ溝で集光するパネル型のフレネルレンズを立方体状に組み合わせ、内部に設置した逆T字型の熱交換器に熱が集まるようにしました。こうして集まった熱を蓄熱タンクの水に伝え、蓄熱します。電気が必要な時は、この熱(お湯)を「ロータリー熱エンジン」という発電機に供給し、熱媒体を気化させてエンジンを回し発電します。もちろん給湯も可能です。

ソーラーパネルで1日中太陽光を効率良くとらえるためには、太陽を追尾する装置とそれを動かす稼働部が必要ですが、今回、考案したシステムはそれらの装置が不要で、あらゆる時間帯の光熱エネルギーの回収ができます。地方自治体などと連携し、遊休地を利用した中小規模の分散型電源として活用を図る計画で、2013年中に出力1kWクラスの試作機を、2014年には10kWクラスの実証システムの開発を目指します。再生可能エネルギーの新しい可能性をひらく技術として期待できます。

理化学研究所
イノベーション推進センター 産業界との融合的連携研究プログラム 光熱エネルギー電力化研究チーム
チームリーダー 東 謙治 (ひがし けんじ)
アシスタント 小林 裕紀 (こばやし ゆき)