広報活動

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2013年4月22日

理化学研究所

2人の間の発話リズムがそろうと、脳波リズムもそろうことを発見

-コミュニケーション時の2者の脳波を同時に計測し解析する手法を確立-

研究の概要図
研究の概要
(左)本研究のイメージ(発話リズムの相関と脳波リズムの相関)
(中)脳波リズムが2者間で相関した脳部位の側頭葉と頭頂葉(赤丸)
(右)2者間の発話リズムの相関値と2者間の脳波リズムの相関値を各ペアでプロットした
この結果、発話リズムが同調するペアほど脳波リ.ズムも同調することが分かった。

プライベートでも仕事でも、何となくリズムが合う人っていますよね。そんな時はきっと、脳も気持ちよく働いているはずです。このように無意識に相手とリズムが合うことを「同調」といいますが、この時の脳の活動はどうなっているのかは、よく分かっていませんでした。理研の研究チームはその解明に取り組みました。

まず研究チームは、発話リズム以外の要素を排除するため、発話内容に意味はもたせず、しかしコミュニケーションは 必要とする実験課題として「交互発話課題」を考案しました。自由なリズムで交互にアルファベットを発声し合うもので、この時の発話リズムと脳波リズムを同時に測定できる実験手法と、データから意味のあるものを抽出する解析技術も開発しました。

課題を日本人の20ペアにしてもらったところ、個々の発話リズムは本来異なるにもかかわらず、2人が交互に発話すると互いの発話リズムが同調することを発見しました。また、この同調は一定のリズムで発話するようプログラムされた機械とでは起きず、ヒト同士の場合だけで起こることが分かりました。さらに、この時の脳波を解析すると、発話リズムが同調すると脳波リズムも同調し、発話リズムが同調するほど脳波リズムの同調が強いことも分かりました。

今回の成果をもとに、コミュニケーション障害の診断・治療の開発や人に相性のよいパートナーロボットの開発など、工学的応用も期待できます。

理化学研究所
脳科学総合研究センター 理研BSI-トヨタ連携センター 脳リズム情報処理連携ユニット
客員研究員 川崎 真弘(かわさき まさひろ)
(筑波大学大学院 システム情報工学研究科 助教)