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2013年6月21日

理化学研究所

植物のDNAをデザインするウェブアプリ「PromoterCAD」を開発

-効率的なバイオマス生産に貢献できるツールとして期待-

PromoterCAD概要図

「PromoterCAD」の概要

ソフトウエアの部品化という発想が出てきたのは1960年代の終りころだそうです。40年以上も前ですね。それぞれのソフトがもつ機能をパーツ(部品)化して組み立てていけば、最初からプログラムを書き起こすのに比べ、より短時間で効率的に目的のアプリケーションソフトを作れるという考え方です。工業製品の大量生産方式をソフト開発に導入しようとしたわけですね。

現在、この考え方はバイオ分野、特に合成生物学分野で行われているDNA設計にも導入されています。特定の遺伝子の発現を高めるDNA配列を設計するアプリが数多く開発され、それを構成する標準的なパーツの整備が進んでいます。しかし、今までは微生物やウイルスが対象で、植物や動物などの高等生物では標準パーツの整備がやや遅れ気味です。また、合成生物学で用いられるアプリは標準パーツ以外のデータ共有ができず、利用できるデータが限られているのが現状です。

理研の研究者は、植物の遺伝子発現を制御するDNA配列(プロモーター)を人工的に設計できるアプリケーションソフト「PromoterCAD(プロモーターキャド)」を開発しました。ウェブから利用できるアプリです。モデル植物のシロイヌナズナで、遺伝子を発現する組織やタイミングの調節を行う人工プロモーターの設計が可能になり、バイオ燃料やバイオポリマーなどバイオマスの生産の効率化につながります。

PromoterCADは、プログラミングなどの専門知識がなくても容易に設計できるようにユーザーインターフェースを拡充、また、ユーザーが自由にデータを追加したり、アプリケーションをカスタマイズすることもできます。今後、植物だけでなく動物にもDNA設計の対象を拡大することができれば、より汎用性に優れた人工プロモーター設計アプリになります。これによって、環境分野だけでなく医療分野でも合成生物学の応用範囲が広がると期待できます。

理化学研究所
環境資源科学研究センター バイオマス工学連携部門 合成ゲノミクス研究チーム
チームリーダー 松井 南 (まつい みなみ)