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2018年7月10日

東京大学
理化学研究所
大阪大学
東京都市大学

希少原子核の高効率・高分解能質量測定による新しい魔法数34の確証

東京大学理学系研究科附属原子核科学研究センター、理化学研究所仁科加速器科学研究センター、大阪大学核物理研究センター、東京都市大学、京都大学、九州大学、立教大学、東京理科大学、ノートルダム大学、ミシガン州立大学からなる国際共同研究グループは、カルシウムの同位体で新たに提案されている「魔法数34」より多くの中性子を含む原子核の質量を世界で初めて精密測定し、質量の変化量の分析から魔法数34の発現を確証しました。

原子核は陽子と中性子からできていますが、含まれる陽子や中性子の個数を変化させたとき、その質量の変化は必ずしも滑らかでないことが知られています。急な質量変化が現れる中性子や陽子の数は「魔法数」と呼ばれ、量子力学の効果として知られています。具体的な魔法数の数値は、原子核に含まれる陽子や中性子の間に働く力の性質で決まり、自然界に安定に存在しない原子核(不安定核)では、これまで知られていた数と異なる魔法数が予言されています。

研究グループは、新しい魔法数が現れると提案されているカルシウム-54よりもさらに中性子を多くもつカルシウム-55,56,57の質量を高効率・高分解能で測定し、それらの質量差から34が新しい魔法数であることを確証しました。

新魔法数34の定量的な確証が示された今回の結果を礎に、人類未踏の希少原子核を含む全ての原子核の存在範囲や安定性についての理解が深まり、中性子星合体での重元素合成過程やニホニウムを超える超重核の構造解明が進むことが期待されます。

詳細は東京大学 大学院理学系研究科・理学部のホームページをご覧ください。

報道担当

理化学研究所 広報室 報道担当
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