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2012年3月1日

理化学研究所

オミックス基盤研究領域 林崎良英領域長がカロリンスカ研究所Honorary Doctor of Medicineを受賞

林崎良英領域長

オミックス基盤研究領域の林崎良英領域長が、2012年カロリンスカ研究所Honorary Doctor of Medicineを受賞しました。この賞は、カロリンスカ研究所における研究に多大な貢献をした人々に贈られるものです。

林崎良英領域長は、生命現象を分子レベルのシステムとして理解することを目指し、次世代シーケンサーによるRNAの大規模解析を進めてきました。この大規模解析パイプラインを構築するために、成熟RNAの全長塩基配列を完全な形で解析するための完全長cDNA技術や、ゲノム上の転写開始点を網羅的かつハイスループットに同定・定量できるCAGE(Cap Analysis of Gene Expression)法などの独自技術を開発し、世界のRNA研究の発展に多大な貢献をしました。

これらの技術を使ってシーケンスされた大量の完全長cDNAデータは、林崎領域長が世界中の研究者に呼びかけて組織した、のべ21か国以上から成るFANTOM(Functional Annotation of Mammalian Genome)国際コンソーシアムによってアノテーション(遺伝子の機能注釈づけ)されました。その結果、大量のノンコーディングRNA(ncRNA:タンパク質をコードしていないRNA)を発見しました。それまでは、ごく限られた機能を持っているリボゾームRNAやトランスファーRNAなど100個ほどしか知られていなかったncRNAが、実はRNAの大半を占めていることを明らかにし、それらの機能はさまざまで、遺伝子発現制御や翻訳制御などを含む遺伝子発現システムの中核的役割をしていることが判明しました。2006年のノーベル医学生理学賞であるFire博士、Mello博士のRNA干渉も、これらのncRNAのさまざまな機能の一部です。これは、従来考えられていた遺伝子による生体メカニズムの常識を覆す業績となりました。解析されたデータベースは、世界のRNA研究に欠かせない世界標準となっています。林崎領域長による国際的な研究機関との連携は、カロリンスカ研究所の業績にも多大な貢献をしたとして表彰されるものです。

受賞式は、5月にスウェーデン ストックホルムシティーホールにて行われます。

< 関連リンク >
カロリンスカ研究所ホームページ