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2015年3月24日

理化学研究所

理事長人事についての談話

4月1日から独立行政法人理化学研究所(理研)は「国立研究開発法人」へと衣替えします。これを機に私は3月31日付で、理事長の職を辞することを文部科学大臣からお認めいただきました。

平成15年10月の就任以来、11年6カ月間にわたり奉職し、願わくは我が国の科学技術・イノベーション振興の礎の一石たるべく微力を尽くして参りました。

幸いにも理研には、国内外から多くの有能な研究者が集積し、「113番元素の発見」を含む多彩かつ創造的な科学的成果を生むことができました。また我が国の技術の粋の集積であるX線自由電子レーザー「SACLA」とスーパーコンピュータ「京」の二つの国家基幹技術を完成し、さらにiPS細胞を用いる世界初の再生医療にかかわる臨床研究を行うこともできました。これらの成果はいずれも各界のご協力と絶大なご支援の賜であり、改めて感謝の念を捧げる次第です。

一方、昨年は理研の名誉を著しく損なう研究不正事案に対応すべく、全所的組織改革に全力を傾けて参りました。先日、「運営・改革モニタリング委員会」による改革の取組に対して適切との評価をいただき、今後、継続的かつ実効性ある方策の実施をお約束し、いささか安堵を覚える心境にあります。

研究所は社会的な生き物、時代の要請に応えながら生きなければなりません。理研は大正6年、高峰譲吉、渋沢栄一の志により、創立されましたが、百年近い歴史の中でさまざまな荒波にさらされ、変遷を経て今日があります。しかし、大河内正敏所長らの先達により培われた、社会に資すべき「理研精神」は変わることなく、未来へ躍動する原動力として今なお脈打っています。

伝統と革新、この度の「独立行政法人」から「国立研究開発法人」への移行により、理研は効果的かつ効率的な業務運営の理念のもと、「研究成果の最大化」を第一目的とする研究所へと再生します。そして、松本紘新理事長に新生理研の指揮が託されることになりました。理研の大きな特徴である総合力を発揮し、我が国のみならず人類社会全体にとってかけがえのない存在へと発展させていただけることを信じています。
在任中にご指導とご鞭撻をいただいた多くの方々に御礼を申し上げる次第です。

平成27年3月24日
独立行政法人理化学研究所
理事長 野依 良治

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