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2017年3月16日

理化学研究所

ニホニウム命名記念式典を開催

平成29年3月14日、日本学士院(台東区上野公園)にて、皇太子殿下のご臨席を仰ぎニホニウム命名記念式典を開催しました。
記念式典は国歌奏楽で厳かに始まり、松本 紘 理研理事長が関係者の方々への感謝の意を表するとともに今後の決意を述べました。

そして、皇太子殿下より「高校2年生の時の化学の夏休みの宿題は元素の周期表を30枚以上手書きで書くというものでした。大変な思いをして書いたその周期表に「ニホニウム」という日本の研究グループを発見者とする元素が一つ加わったということに感慨を覚えます。元素は、物質からなるこの世界の構成要素であり、これを探求することは、人類の科学の基礎をより豊かにするものです。このような基礎研究の更なる深化が、科学技術と社会の発展に大きく貢献することを期待しています。本日の式典を一つの契機として、科学技術が今後とも国境を越え、人々の協力によって発展し,世界人類の将来にとって有益なものとなることを願います」とのお言葉をいただきました。

続いて、ナタリア・タラソバ国際純正・応用化学連合(IUPAC)会長が命名宣言を行い、森田浩介 理研超重元素研究グループディレクターがニホニウム命名経緯を説明いたしました。

その後、ご来賓の松野博一文部科学大臣(水落敏栄文部科学副大臣代読)、鶴保庸介内閣府特命担当大臣(科学技術政策)(石原宏高内閣府副大臣代読)、ブルース・マッケラー国際純粋・応用物理学連合(IUPAP)会長、ユーリ・ツォラコヴィッチ・オガネシアン ロシア核研究合同研究所教授、塩野宏日本学士院長、大西隆日本学術会議会長(川合眞紀第三部幹事代読)より祝辞をいただきました。

式典開催の経緯

平成27年12月31日(日本時間)、新元素(元素番号113番)の合成・発見に対し、森田浩介グル―プディレクターが率いる研究グループに、アジアの国で初めて命名権が与えられることが発表されました。これを受けて、同研究グループより国際純正・応用化学連合(IUPAC)に対して元素名(nihonium)および元素記号(Nh)を提案しました。IUPACはパブリックレビューを実施した後、平成28年11月30日、113番元素名「nihonium(ニホニウム)」と元素記号「Nh」を正式に決定したことを発表しました。

このため、これまでの元素名決定の国際的前例に則り、IUPAC会長による命名宣言を行うとともに、研究グループの功績を紹介し協力いただいた関係者に謝意を示すために記念式典を開催することといたしました。

式典の様子の写真

式典の様子

お言葉を述べられる皇太子殿下の写真

式典開催にあたって、お言葉を述べられる皇太子殿下

式辞を述べる松本理事長の写真

式辞を述べる松本理事長

森田理研超重元素研究グループディレクターとオガネシアン ロシア核研究合同研究所教授の写真

式典後、取材に応じた森田理研超重元素研究グループディレクター(九州大学大学院理学研究院教授)とオガネシアン ロシア核研究合同研究所教授(※)

※加速器を用いた超重元素合成の先駆者で、114番元素はフレロビウム、115番元素はモスコビウム、118番元素は自らの名を冠したオガネソンとロシア由来の名称となっている。森田グループディレクターは、1992年~1994年にオガネシアン教授のもとで実験に参加し、超重元素研究の教えを受けた。

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