広報活動

2017年2月6日

60秒でわかる? エネルギー移動の単分子レベル計測に成功~エネルギー変換デバイスの性能を飛躍的に向上させる

キーワード

化学, 物理学, 工学, 材料科学, STM, 走査型トンネル顕微鏡, 単分子, 分子振動, 分光, 発光分光, 吸収分光, エネルギー移動, 遷移双極子モーメント, 近接場光

概要

私たちの身の回りにある太陽電池や、有機ELのような発光デバイスは、光から電子(電気)、あるいは電子(電気)から光にエネルギー変換しています。つまり、エネルギーが分子間を移動することによって機能しているのです。このような「エネルギー変換デバイス」の性能を飛躍的に向上させるためには、分子レベルでどのような変化が起こるかという基礎的な研究が不可欠ですが、エネルギー移動を単分子レベルで計測することはこれまで不可能でした。単分子から出る光の強度は弱いため検出しにくく、かといって発光強度を高めるために高いエネルギーを与えると、単分子は簡単に壊れてしまうからです。
この難題に理研の研究チームが挑み続け、ついに克服に成功しました。
計測には走査トンネル顕微鏡(STM)という特殊な顕微鏡を使います。この顕微鏡は光を使わず、非常に鋭い針を物質(金属)に近付けて表面をなぞることによって、原子レベルの凹凸をちゃんとイメージできる装置です。それと同時に、針から流れる電流は、分子にエネルギーを与えることも可能です。単分子の発光強度を高めるために、分子が壊れないように特定のエネルギーの電子をピンポイントで注入し続ける技術を開発し、注入した電子を分子にとどまりやすくするよう金属表面を加工し、分子からの光をなるべく近い位置で効率よく検出できるように装置をデザインしたのです。
『理研ニュース』2017年2月号の“研究最前線”で、Kim表面界面科学研究室 金 有洙 (キム・ユウス)主任研究員が、走査型トンネル顕微鏡(STM)を用いて単分子レベルでの吸収分光とエネルギー移動を計測する取り組みについて熱く語っています。この動画で金 博士の60秒解説をご覧いただけます。

再生時間

2分25秒