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史上最強の超伝導リングサイクロトロン いよいよ組み立て開始 中央研究所 加速器基盤研究部 加速器技術開発室 宇宙に存在するさまざまな元素はどのように誕生したのだろうか? 理研の「RIビームファクトリー(RIBF)」計画は、重い元素の合成過程で作られたと考えられる不安定な原子核(不安定核=RI※)を人工的に作り出し、元素誕生の謎を初めて実験的に解明しようというものである。RIBFの心臓部が超伝導リングサイクロトロン(SRC)だ。SRCは、全元素のイオンを光速の70%にまで加速できる史上最強の重イオン加速器である。「技術的に非常に難しく、各国が開発を断念した“幻のサイクロトロン”がSRCです。私たちは、装置全体を鉄で覆うというまったく新しいアイデアで、今まで不可能だったことを可能にし、SRCを完成させます」とRIBF計画の全体責任者である矢野安重基盤研究部長は語る。欧米がSRCとは違うタイプの加速器で同様のRIビーム計画を準備する中、いち早く2007年の本格実験開始を目指し、SRCの組み立てが2003年4月から始まる。 ●
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鉄の塊タイプの最大の特長は、ビームを曲げやすくなったことである。オープンタイプではセクターのすき間に磁場が漏れ、ビームを逆向きに曲げるような磁場が0.5テスラ働く。この分も含めて、強く曲げるためには4.3テスラという巨大な磁場が要求された。一方、鉄の塊タイプでは、シールド部分の磁場はゼロなのでビームは真っすぐ進む。0.5テスラ分を差し引いた3.8テスラのセクター磁場で済む。
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脳は物体像をどのようにとらえているのか 脳科学総合研究センター 目にする物体が何であるか分かる――ふだん意識することなく行っている物体認識だが、その神経メカニズムはまだ謎に包まれている。「視覚でとらえた物体像が脳の中でどのように表現され、どのように処理されるのかを明らかにすることが、究極のテーマです」と語るのは、脳科学総合研究センター(BSI)脳統合機能研究チームを率いる谷藤学チームリーダーである。谷藤チームリーダーの強みは、生物物理学と脳科学の2つの分野に精通していることだ。この強みを生かし、“新しい技術の開発”と“新しい技術を使って物体像が脳でどのように表現されているのかを見る”という2本立ての方針で研究を進めている。光を用いた内因性信号※1イメージングに加え、fOCT(機能的光コヒーレンス・トモグラフィ)という世界初の新たな技術を武器に、物体像を認識する脳の仕組みに挑む。 ● ● ●
しかし研究を進めていくと、簡単に説明できないケースが出てきた。「消火器を使っていたときです。単純化したら、新たなスポットが出現してしまったのです」。問題になったのは、図4のスポットCだ。谷藤チームリーダーは、予想外の結果をむしろ面白いと感じた。「複雑な物体像を表現するのに、神経細胞をたくさん使うばかりではなく、少ない数で表現できるメカニズムもあるのではないか、と考えたのです」
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植物の維管束づくりに働く 遺伝子セットを発見 森林の環境保護や有用樹木の作出に向けた大きな一歩 当研究所は、東京大学と共同で、植物の維管束づくりに働く遺伝子セットを発見した。理研横浜研究所植物科学研究センター形態形成研究グループの福田裕穂(ひろお)グループディレクター、出村拓チームリーダーらの研究グループによる成果。植物の維管束は、動物の神経・血管に当たり、情報や物質の運搬に働いている。研究グループでは、1個の細胞から1個の維管束細胞へと分化する幹細胞分化系を自ら開発。分化系から単離した約8000の遺伝子が維管束形成過程で、いつどのようなセットで働くかを詳細に調べ、遺伝子をカタログ化することに世界で初めて成功した。この中には、地球上の最大のバイオマス※1であるセルロース※2、第2位のリグニン※2などの合成酵素遺伝子が含まれていた。今後これらの遺伝子や、それを制御する遺伝子を利用することで、植物の成長をコントロールできるほか、樹木のバイオマス成分の“量”や“質”を改変する道が拓かれるものと期待される。 ● ● ● ●
※1:バイオマス 生物を原材料とするエネルギー源の総称。 その活用技術をめぐって、日米欧において開発競争が行われている。 ※2:セルロースとリグニン セルロースは、植物細胞壁の主成分であり、自然界に最も多量に存在する多糖。 リグニンは、道管などの維管束細胞の細胞壁中にセルロースなどと結合して沈着するフェニルプロパノイド重合物で、細胞壁を補強する役割を持つ。 |
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宇宙では超高エネルギーの素粒子が光速に近い速さで飛び交っている。この極限エネルギー宇宙線を宇宙空間から観測し、その正体を解き明かすため、国際宇宙ステーション(ISS)に大型のレンズ望遠鏡を搭載する「EUSO(ユーゾ)(Extreme Universe Space Observatory:広角超高エネルギー宇宙線望遠鏡)」計画が進んでいる。EUSO計画は、欧州宇宙機関(ESA)を中心に、日・欧・米が協力して推進。日本は焦点面検出器を、米国は光学系(レンズ面)を、欧州は電気系統および打ち上げに対する責任を負う予定だ。日本では理研情報基盤研究部(戎崎俊一基盤研究部長)が中心となり、検出器の基礎研究を行っている。さらに、米国の担当するレンズ面の製作に当たっては、理研中央研究所素形材工学研究室の超精密加工技術が採用され、共同で製作することが決まった。日本の“ものづくり”技術の粋を集めて完成を目指すEUSOが、高エネルギー天文学の新たな地平を切り拓いていく。 ● ● ● ● ● |
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“脳の発達と生涯にわたる学習”に関する
会議を開催 |
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「和光市民大学講座」を開催
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また、12月25日には、小・中学生を対象にしたクリスマスレクチャー「科学への招待」を理研・和光本所で開きました。クリスマスレクチャーには約40名の参加者があり、小林俊一理事長が「科学実験ってなあに?」をテーマに、科学の面白さについてやさしく講演するとともに、液体窒素とドライアイスを使った“低温実験”を披露しました。また、戎崎俊一基盤研究部長(中央研究所 情報基盤研究部)が「大宇宙と分子の世界を見る」と題して、コンピュータを駆使した立体映像を使って、分かりやすく解説しました。 |
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和光本所 お花見・構内開放のお知らせ
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桜の開花時期に合わせて、和光本所の構内の一部を開放する予定です。桜の開花時期を考慮し、開放日の詳細はホームページ(http://www.riken.go.jp)でお知らせします。 |
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![]() ぶらり金沢で |
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● その興奮が覚めやらぬまま、他の展示室へと足を運んだ。工芸作品の展示室に、なにか記憶に残るものを見出した。雷鳥の図の文箱(ふばこ)である。だいぶ前に、テレビのドキュメンタリー番組で同じような作品が紹介されていたことを思い出した。鶉(うずら)の卵殻(らんかく)を使った蒔絵である。ほとんど一色に見える卵殻の微妙な色の違いを利用して作品を作り上げて行くものであった。その時、取り上げられていたのは何羽かの鶴の飛翔の姿であったような気がするが、その雰囲気は変わらなかった。漆黒の漆に浮かびあがる雷鳥は、凛とした印象を漂わせていた。作品に近づくにつれ、その巧みな技に圧倒される感じとなった。図柄の隅々にまで行き届いた感性と卵殻の微妙な色の移り変わり、素晴らしいという言葉以外見つからなかった。 ● 一息ついて作品の下に掲げられた銘板に目を留めた。作者は、寺井直次、重要無形文化財技術保持者、いわゆる、人間国宝である。石川県出身であり、この美術館に作品が多く残されていることに納得する。無論、基本は、輪島塗蒔絵である。続けて、東京美術学校、現在の東京芸術大学を卒業後、なんと理化学研究所に在籍と書いてある。一瞬目を疑った。私の中で、すぐには科学と美術が結び付かなかったからである。また、時には、理研以外の理化学研究所があったりして、驚かされる経験も少なからずあったからである。読み進むと理化学研究所静岡工場に勤務とある。ますます分からなくなってしまったが、作品の美しさは変わらない。野々村仁清と寺井直次、2人の素晴らしい作品をみた余韻を残して、美術館を後にした。 ● さて、理研に戻り早速、正本弘子さん(広報室・史料室担当)にその話をした。すると、蒔絵のことはともかく、寺井直次が理研に在籍していたというではないか。戦前、理研は、開発したアルマイトが、様々な色に発色できることを利用し、これらを使った多くの製品を制作していた。そうだとすると、その応用として美大を出た寺井直次を採用することは、理に適(かな)ったことになる。またアルマイトの生産工場が静岡にあったことも分かり美術館で見た経歴とも符合する。その時、彼女が静岡県庁に所縁(ゆかり)のアルマイト壁画があると言った。静岡県庁本館も戦前の建物であって、作品の保存状態も気になるところから、早速訪ねてみた。2階から3階への踊り場にあったその壁画は縦4メートル横2メートルに達する大きなもので漆の上にアルマイトが象嵌(ぞうがん)された金胎(きんたい)であった。図柄は、蜜柑(みかん)とお茶の花が満載され魚の泳ぐ海に浮かぶ帆掛け舟でまさに静岡の産物礼賛であった。県の担当者によると県庁本館は、文化財として登録され永く保存されることが決まったとのこと。この壁画が、直次の作品であるかどうか今となっては不明であるが、これからも多くの人の目を楽しませることになるだろう。 広報室 室長●矢野倉 実 |
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