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次世代ものつくりの基盤 - VCADの開発
加瀬 究
Dr. KASE, Kiwamu
独立行政法人 理化学研究所
知的財産戦略センター
VCADシステム研究プログラム
VCADモデリングチーム
チームリーダー
当VCADモデリングチームは、独立行政法人理化学研究所「VCADシステム研究プログラム」の一環として、2001年4月に活動をスタートしました。理研を拠点に内外の研究者が結集し、次世代ものつくりの基盤となる統合システム「VCAD(ボリュームCAD)」と、その上で直接動くシミュレーションの開発を続けています。
ものつくりの工程では、CAD(設計)、CAE(解析)、CAM(加工)、CAT(検査)と、各段階でコンピュータが使われてきましたが、それぞれソフトウェアが異なるため、データの修正や変換に多大なコストがかかっていました。また、従来のCADは3次元とは言ってもいわば中身が空洞で、適切なシミュレーションには使えないものでした。こうした問題を解決する「中身が詰まっている真の3次元CAD」を目指して、VCADの研究開発が始まりました。
実用化に直結した日本発のコア技術
Fig.1 Kitta Cube
Fig.2 VCADモデル
VCADの特徴は、セルと呼ばれる立方体に、形状の情報だけでなく物性値も入っていることです。当チームでは、「Kitta Cube(>“切った”キューブ)」「セルの階層化」といった独自の切り口で、このシステムの実現に成功しました。幾何(形)と物理(物性)を一緒の枠組で表現するという、画期的な技術的ブレイクスルーにより、試作品を作らずしてコンピュータで適切なシミュレーションを行うことを可能にしたのです。
このシステムはまた、人工物に限らず地殻変動や生体といった自然物、固体以外の流体シミュレーションにも使える汎用性があり、ものつくりの現場はもとより、医療や生命科学など広い分野での実用化が期待されています。
広がるVCADの可能性
Fig.3 (独)放射線医学総合研究所との共同研究「VCADを用いた多次元脳診断」
これまでに開発された「VCADフレームワーク」を中心とするソフトウェアは、公開ホームページにて順次リリースされており、多様な領域で事業化の検討も始まっています(>「VCADシステム研究プログラム」ホームページ)。
これら研究開発の成果を多くの研究者・事業者の方々にご活用いただくことで、日々進化するVCADとともに、テクノロジーの新しい地平が切り拓かれることを願っています。
