上級研究員、研究員または特別研究員募集(R-CCS2121)
募集研究室
計算科学研究センター データ同化研究チーム
(チームリーダー: 三好 建正)
研究室の概要
計算科学研究センター(R-CCS:センター長 松岡 聡)は、「計算の計算による計算のための科学」を推進する国際的な計算科学分野の中核拠点として、研究所が強みを有するテクノロジー(R-CCSテクノロジー)と、研究所で開発した科学技術・産業・社会に貢献するソフトウェア(R-CCSソフトウェア)とを「サイエンスを駆動する計算科学コア・コンピタンス」と位置付け、それらの発展、国内外での普及、成果の創出を目指しています。
また、計算科学分野での専門集団であることを活かし、2021年より計算による科学の幅広い分野を支える共通基盤としてのスーパーコンピュータ「富岳」を運用しています。
データ同化研究チームでは、データ同化に関する研究開発を行っています。例えば天気予報は高度な計測技術、スーパーコンピューティング技術、情報通信技術など、人類が生み出した科学技術の結晶です。これらを組み合わせる要が、データ同化という科学分野です。データ同化を高度に探求することで、最新鋭のレーダ観測、スーパーコンピュータ「京」や「富岳」を組み合わせ、これまで困難だったゲリラ豪雨の予測を可能にしました。データ同化は未来をつなぎ、その可能性が広がり始めています。
募集職種、募集人数及び職務内容
募集職種、人数
上級研究員、研究員、特別研究員 若干名
職務内容
データ同化に関する研究を行います。当研究チームとの姉妹研究室である開拓研究本部三好予測科学研究室をはじめ、必要に応じて、計算科学研究センターの他の研究チームや、理化学研究所の他センターのほか、国内外の連携機関と協力して研究を推進します。具体的には、例えば以下のような研究に取り組みます。また、チームの運営に貢献することも求められます。特に上級研究員は、チームリーダーを補佐し、チームの中で指導的な役割を果たして、チームの運営に大きく貢献することが求められます。
- 1.数値天気予報における世界最先端のデータ同化研究。最新のセンサ技術による「ビッグデータ」を活かす次世代システムの研究や、地球規模のシミュレーションに各種衛星データを同化する先端的全球データ同化システムの研究を進めます。
- 2.データ同化の先駆的理論研究。非線形動力学、カオス理論といった力学系の物理学や、統計数理科学やAI技術、不確実性定量化(UQ)などの応用数学の知見を生かし、非線形、非正規分布に対応したデータ同化手法や、AI技術とデータ同化の融合など先駆的な理論研究を行います。
- 3.IoT、ビッグデータ、AIの時代に対応するデータ同化研究。ビッグデータから情報を集約するデータマイニング、大規模データ解析技術や、AI技術と、データ同化との融和を図り、新時代に対応した新しいデータ同化の応用を開拓します。
- 4.新たな大規模シミュレーション分野へのデータ同化の応用研究。幅広いシミュレーション分野へのデータ同化の応用可能性や有効性を調査し、新しい応用分野を開拓します。
- 5.人工衛星搭載マイクロ波放射計を生かした数値天気予報とAI気象サービスに関する研究。衛星搭載マイクロ波放射計のデータ同化を含む数値天気予報システムを構築し、どのようなデータが予報精度向上に有効かを定量化します。これにより、ハード設計や観測設計に貢献するとともに、当該データの価値を計量します。また、当該データを活用したAI気象サービスのためのソフトウェア開発を行います。
- 6.豪雨・都市型洪水の防災のためのビッグデータ同化研究。迅速な降水・洪水予測を目的として、本研究では気象・水文観測網を整備し、降水レーダ観測や衛星観測に基づく降水ナウキャストを開発し、さらに、深層学習手法を応用して精度向上を目指します。また、世界的にも極めて突出した独創性・新規性を持つ「ビッグデータ同化」技術による数値天気予報の普及型システムの開発も行います。さらに、降水予報の精度向上を目的として、降水レーダ観測の高解像度・高頻度同化に取り組みます。加えて、降水の予測可能性やメカニズムの解明に向けた研究も行います。アルゼンチンとの共同研究(年間数ヶ月程度の現地滞在を含む)に従事する可能性もあります。
応募資格
- 上級研究員
- データ同化に関する研究分野で研究実績を持つ方で、博士号取得後5年以上の方。
- 研究員・特別研究員
- データ同化に関する研究分野に興味があり、関連分野で研究実績を持つ方。例えば、力学系の物理学や、関係する数学、情報学分野、その他、地球惑星科学や生物学、工学、経済学など様々な応用分野等、データ同化研究へのモチベーションがあれば分野は問いません。原則博士号取得後5年以内の者は特別研究員として、超える場合は研究員として採用。大規模問題におけるデータ同化の研究開発経験を有する方を優先しますが、各種シミュレーション分野での研究開発経験を有する方や、統計数理科学の理論や応用に関する研究開発経験を有する方、非線形動力学、カオス理論といった力学系の物理学や応用数学のバックグラウンドを有する方、制御工学や関連する工学分野でフィルタ理論のバックグラウンドを有する方、またその他の関連分野からの応募も歓迎します。データ同化の意義や有効性を理解し、スーパーコンピュータを用いた大規模問題におけるデータ同化の研究開発に意欲的に取り組むことができる方を優先します。
勤務地
事業所名及び住所
理化学研究所 計算科学研究センター
〒650-0047 神戸市中央区港島南町7丁目1番26号(神戸地区南エリア)
在宅勤務制度あり。所定の手続きに従い在宅勤務が可能です。
待遇
- 1.(特別研究員)単年度契約の任期制職員で、評価により採用日から5年を上限として再契約可能。
- 2.(研究員)(上級研究員)単年度契約の任期制職員で、評価により採用日から7年を上限として再契約可能。
- 3.ただし、能力、契約満了時の業務量、勤務成績、勤務態度、所属しているセンター等若しくは研究室等又は従事しているプロジェクトの存続及び当研究所の経営の状況、予算状況等により、再契約可能期間については変更になる場合もあります。また、原則として65歳を超えての再契約は行いません
原則として2ヶ月の試用期間有り。
給与は、経験、能力、実績に応じた年俸制で、裁量労働手当、通勤手当、住居手当の支給有り。社会保険の適用有り。
理研共済会(互助組織)に要入会。
専門業務型裁量労働制適用で、1日7時間30分就業したものとみなされます。
休日は、土日、祝日、年末年始(12月29日-1月3日)、当研究所設立記念日。
休暇は、年次有給休暇(採用月に応じて最大年20日)、特別有給休暇(看護、介護など)、ワークライフバランス休暇(採用月に応じて最大年7日)など。
その他、産前産後休業、育児休業、介護休業制度等あり。
敷地内禁煙。
その他、当研究所規程による。
- ※理化学研究所は、男女共同参画及びダイバーシティ推進に積極的に取り組み、多様性豊かで活気ある研究環境の整備を進めています。公正な評価に基づき能力が同等と認められる場合は、女性を積極的に採用します。
- ※日本学生支援機構奨学金(2003年度までに大学院第一種奨学生に採用されている場合)の返還特別免除の対象、科学研究費補助金の申請資格有り
応募方法及び締切日
提出書類
以下の項目を英語で記載の上、提出ください。
- 1.履歴書
自由書式としますが、名前、国籍、生年月日、学歴および現在の所属機関を含む職歴、所属機関の住所、応募者の連絡先としてのメールアドレスを必ず記載してください。 - 2. 研究業績一覧
査読論文以外にも、受賞や競争的資金の獲得、民間における開発実績など記載してください。また、併せてGoogle ScholarによるCitations等、可能な限り定量的な評価指標を記載ください。 - 3.主要論文の別刷り又はコピー(5編以内、業績リストにマークのこと):
オリジナル論文がPDF形式でない場合は、PDF形式にスキャンの上、送付ください。 - 4.競争的研究資金獲得実績、受賞歴、その他の実績
大学や機関等での運営貢献実績、学会活動等の社会貢献実績、共同研究契約実績、技術移転実績などを記載。 - 5.これまでの研究概要と今後取り組みたい研究、将来のキャリア展望:
A4自由書式で3~4ページ。研究概要が分かる図があることが望ましいです。 - 6.応募者本人を評価できる方からの推薦書(英語)1通ないし2通
- ※1通は現職の所属長からのもの。これが困難な場合は、第三者による推薦書。
- ※現在理化学研究所に所属の方については、外部推薦者からの推薦書をお手配ください。
- ※推薦書の様式の指定は特にありませんが、以下の条件をみたすものとします。
- PDF形式であること
- 推薦書内に日付の記載、推薦者の押印もしくは署名があること。押印/署名はPDFに画像として埋め込んでください。押印/署名を省略する場合は必ず推薦者の連絡先(名前、所属、職名、電話番号、メールアドレス)をご記載ください。
- 推薦書内の宛名書きが「RIKEN R-CCS Director」であること
- 7.EU一般データ保護規則(GDPR)に基づく個人情報の取扱に関する同意書
※欧州経済領域(EEA)に居住されている方のみ、上記の同意書をご提出ください。
EU一般データ保護規則(GDPR)の詳細は、下記をご参照ください。
European Commission(英語サイト)
応募方法
- 提出書類を単一のPDFファイルにまとめ、下記リンク先へアップロードしてください。
Applications for R-CCS Data Assimilation Research Team / データ同化研究チーム 応募書類 - PDFファイルの名前には、案件名(R-CCS2121 データ同化研究チーム)および応募者氏名を必ず含めてください。
- 「ファイルの説明」欄に応募する職名を記載ください。
- アップロード完了後、アップロードしたファイル名を kobe-jobs [at] riken.jp まで、必ずお知らせください。
- 応募書類提出報告時のメール件名は以下としてください。
「氏名_R-CCS2121 データ同化研究チーム_(応募職名)応募書類」 - 推薦書を推薦者より直接ご提出いただく際には、件名を「計算科学研究センター データ同化研究チーム(応募職名)公募(応募者氏名)の推薦書」とした上で、本文に応募者氏名と推薦者氏名・連絡先を明記の上、kobe-jobs [at] riken.jpまでメール添付にて送付してください。
- 7日以内に受領確認のメール返信がない場合は、応募書類が届いていない可能性がありますので、kobe-jobs [at] riken.jpまでご連絡ください。
※応募書類は返却できませんので予めご了承ください。
締切日
適任者が見つかり次第締め切ります。
個人情報の取扱について
提出していただいた書類は、国立研究開発法人理化学研究所個人情報保護規程に則り厳重に管理し、採用審査の用途に限り使用されます。
これらの個人情報は正当な理由なく第三者への開示、譲渡及び貸与することは一切ありません。
選考方法
応募書類を受領次第、随時書類審査を行い、合格者のみ面接(特別研究員1回、上級研究員・研究員2回)。審査内容、選考結果に関する個別のお問い合わせはお受けできませんので予めご了承ください。
着任時期
決定後なるべく早い時期(応相談)
備考
提出ファイルは原則として返却しません。また、特に本人の許諾がない限り、提出ファイルは今回の人事選考だけに用い、他の用途には用いません。
- 2022年4月12日:[締切日]を修正しました。
- 2022年11月7日:[待遇]を修正しました。
- 2023年5月22日:[勤務地]、[待遇]を修正しました。
お問い合わせ先
研究・業務内容についてのお問い合わせは以下までメールでお願いいたします。
理化学研究所 計算科学研究センター
データ同化研究チーム
三好建正
Email:da-team-desk [at] ml.riken.jp
※[at]は@に置き換えてください。