2014年4月5日
テラヘルツ量子カスケードレーザ
理研No. 07948, 08201
発明者
平山 秀樹(テラヘルツ量子素子研究チーム)
背景
「電波の透過性(透視)」と「光の分解能」を兼ね備えたテラヘルツ光は、各種透視・非破壊検査用の光源として幅広い応用分野への利用が期待されています。我々は、小型、高出力、高効率、狭線幅、連続動作可能、安価なテラヘルツ光源として実用利用が期待される「テラヘルツ量子カスケードレーザ(THz-QCL)」の開発を行っています。
概要
半導体の結晶成長技術や最適量子設計技術などを駆使して、THz-QCLの開発を進めています。これまでに周波数2~4THz、動作温度160K程度のQCL作製に成功しています。今後、窒化物半導体の利用や新しい量子構造など各種技術の導入により、「室温発振」や「動作周波数領域の拡大」など、さらに飛躍的な高性能化が期待されます。
図1:GaAs系テラヘルツ量子カスケードレーザの構造
図2:GaAs系テラヘルツ量子カスケードレーザの外観写真と発振特性
利点
- 小型、高出力、高効率、狭線幅、連続動作可能で安価なテラヘルツレーザ光源である
- 「電波の透過性(透視)」と「光の分解能」を用いた各種検査用の光源に広く利用可能
応用
- 各種透視・非破壊検査
(例)食品の遺物混入検査
(例)郵便物の禁止薬物検査、税関におけるセキュリティチェック
(例)建造物の骨格の検査 - 医療応用
(例)癌の部位の検査
(例)火傷深さ診断 - 農業、環境計測などへの応用
- ICチップ・電子カードなどの電子産業における各種検査
文献情報
- 1.PCT/JP2012/069571
- 2.特願2013-226195
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