1. Home
  2. 産学連携
  3. 知的財産情報

2014年2月20日

粒子線がん治療用三次元ゲル線量計

理研No. 08137

発明者

前山 拓哉、福西 暢尚(仁科加速器研究センター:加速器基盤研究部)
姫野 龍太郎、高木 周、深作 和明、野田 茂穂、石川 顕一、古田 琢哉(情報基盤センター)

背景

粒子線などの放射線がん治療の高度化により、より洗練された三次元線量分布が作成可能となってきています。これに対して、放射線がん治療で計画される三次元線量分布を容易に検証可能な線量計の開発が、放射線治療施設から強く求められています。

概要

本件で開発したゲル線量計とは線量に応じて進む化学反応を空間的に保持し、照射後にMRI測定を行うことで、三次元情報を読み出し、線量分布に換算するものです。これまでの課題として線量計感度の線質依存性と反応後の生成物の拡散があり、特に粒子線治療での線量評価が困難でありました。この課題に対して、我々は水に可溶なナノクレイをゲル線量計に添加し、反応生成物の拡散を抑制し、水溶液線量計の知見を基に線量計感度が線質に依存しないゲル線量計の開発に成功しました。

作成したゲル線量計の図

図1:作成したゲル線量計

炭素線照射に対するゲル線量計の線量依存性の図

図2:炭素線照射に対するゲル線量計の線量依存性

炭素線照射により得られる二次元分布と電離箱測定とゲル線量計との比較の図

図3上:炭素線照射により得られる二次元分布
図3下:電離箱測定とゲル線量計との比較

利点

  • 粒子線の三次元線量評価を可能とする唯一の線量計
  • 生体と同様に水が主成分である
  • 線量計自体をファントムとして用いることで治療計画の検証が可能である

応用

  • 放射線治療、特に粒子線治療における三次元線量分布のQA・QC

文献情報

  • 1.特願2014-017201、US14/226104
  • 2.Maeyama, T., et al., Radiat Phys Chem, 96, (2014) p. 92-96.

知的財産情報に関するお問い合わせ

理化学研究所
お問い合わせフォーム

Top