2014年12月9日
中赤外レーザーを用いたガス成分分析システム
理研No. 08187
発明者
湯本 正樹、宮﨑 洸治(光量子制御技術開発チーム)、和田 智之(光量子技術基盤開発グループ)
背景
ヒトの呼気中に含まれるガス成分には、特定疾患と因果関係のある物質も含まれています。これらの物質をバイオマーカーとして定量分析し、病気の診断を行う呼気診断への応用が拓かれつつあります。また、呼気中のガス成分をモニタリングすることで人の健康状態を診るヘルスケアとしての展開も可能であり、予防医療や医療費の抑制などへ繋げることが期待されています。
概要
呼気には、疾患と因果関係のある揮発性有機化合物などガス状物質が無数に含まれています。それらはガス成分毎に、分子の指紋領域とも呼ばれる中赤外領域に特徴的な吸収スペクトルを持ちます。そのガス固有の吸収スペクトルに波長同調させた狭帯域中赤外レーザーとマルチパスセルを用いた赤外吸収分光計測により、ガス成分の定量分析が可能になります。また、中赤レーザーの波長を変えることで、複数種類のガス成分を計測することも可能です。
図1: 呼気中のガス成分と疾患との関係
利点
- 複数種類のガス成分の計測
- ppm、ppbオーダーの微量ガス分析
- 短い計測時間(数秒)
応用
- 呼気分析による病気の診断、健康診断
- 自動車や工場の排気ガス分析
- 植物工場などの室内環境モニタリング
文献情報
- 1.PCT/JP2014/004597
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