2015年6月22日
波面歪み測定技術と補償技術
理研No. 08352
発明者
磯部 圭佑、緑川 克美(アト秒科学研究チーム)
背景
光学顕微鏡などの測定装置の空間分解能は波面が歪むことによって劣化します。この問題を解決するために、波面歪みを補償する技術が開発されてきました。試料から帰ってきた光の波面歪みを波面センサーにより測定し、補償する技術と、波面歪みを仮定して波面補償を試行錯誤する技術があります。しかし、明るい点光源が試料内部に必要、波面センサーが別途必要、試行錯誤に時間がかかるなどの問題があります。
概要
本発明は、波面補償光学装置が波面歪み測定にも使用され、光学顕微鏡などの測定装置自身によって、観察している試料位置における波面歪みを測定します。そのため、追加の波面センサーを用いる必要がなく、装置を簡易化できます。また、明るい点光源も必要ないため、あらゆる試料の観察に適用可能な手法となっています。
図1:試料内部で生じる波面歪みと波面補償
図2:(a)従来手法と(b)発明手法の装置概略図
利点
- 追加の波面測定光学系が不必要
- 試料内部の焦点面における波面歪みを測定可能
- 明るい点光源が不必要
応用
- 天体観測装置
- 顕微観察装置
- 病理検査装置
文献情報
- 1.特願2014-266374
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