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2015年11月6日

高強度・低繰り返しレーザー光の電場位相を固定する技術

理研No. 08400

発明者

高橋 栄治、Yuxi Fu(アト秒科学研究チーム)、緑川 克美(光量子工学研究領域)

背景

パルスレーザー装置から発生するレーザー光電場とその強度包絡線の位相関係は一定ではなく、ショット毎に異なる値をとります。この問題を解決するために、高繰り返しレーザーによる動的制御を用いて、光電場位相を固定する技術が実現されています。しかし、レーザーの繰り返し周波数に動的制御周波数が制限されるため、10Hz程度の低繰り返しレーザーでは電場位相を固定することは困難でした。

概要

本発明では、周波数の異なるレーザー増幅器により装置を構成することで、動的制御周波数を増加させます。前段の高繰り返しレーザーを参照光とし、その電場位相情報を用いて低繰り返しレーザーの光電場位相を高精度で固定する技術です。原理的には超低繰り返し(1ショット/1時間)のレーザーシステムであっても、その光電場位相を固定することが可能です。

レーザーシステムの構成の図

図1:レーザーシステムの構成例

電場位相の安定度の図

図2:電場位相の安定度

利点

  • レーザーシステムの繰り返し周波数に依存しない
  • 既存レーザーシステムに組み込み可能

応用

  • 高強度光科学
  • プラズマ科学
  • 通信、精密計測

文献情報

  • 1.特願2015-125244
  • 2.Optics Letters Vol. 40, Issue 21, pp. 4835-4838 (2015)

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