理化学研究所（理研）と株式会社ユーグレナは、日本全国の湖沼における採水を中心としたサンプリングを実施し、既存の野生株とは異なる性質のミドリムシ収集を目指す「みんなのミドリムシプロジェクト」を2019年4月3日から開始します。

両者は、「産業界との融合的連携研究制度^[1]」の下で、2018年4月1日に微細藻類生産制御技術研究チームを設置し、微細藻のバイオ燃料増産のための革新的生産介入技術の開発を進めてきました。

これまで、ミドリムシ（別名ユーグレナ）は、同一の生物種であっても生息環境に適応して進化した地域集団はしばしばユニークで有用な形質を示し、産業上の応用可能性が確認されています。現在、さまざまな環境から地域集団を収集してライブラリ化することで、新規形質を有した品種の発見とその活用が期待できます。

本プロジェクトでは、理研版クラウドファンディングシステム^[2]を利用し、全国の皆様から寄附金を募集します。皆様からのご支援をもとに、2019年6月1日より順次ミドリムシ採取キットを、全国各地の協力者に配布し、日本全国の湖沼におけるサンプリングを依頼する予定です。研究チームは、各地からサンプルを収集・確認のうえ、ミドリムシが含まれるサンプルは、地域特有ミドリムシ株を単離してライブラリ化します。これらの株を対象として、分子系統解析、形質解析および遺伝子発現解析を実施し、Webアプリケーションを伴うクラウドシステムに情報統合したうえで、サンプルの収集場所やミドリムシの解析データを地図上に表示させ、寄附者・サンプル提供者と共有します（図1、図2）。

最終的に、本プロジェクトによって獲得した新規有用ミドリムシ株は、バイオ燃料や食品への事業利用を目指した研究開発に活用する予定です。

プロジェクト概要

特徴

• クラウドファンディング形式による研究資金の調達（募集額：100万円）
• 高校生を中心とした市民参加型のアクティブラーニングの機会提供
• ミドリムシをモデルとする微生物の広域分布による学術的な研究の実施
• 有用ミドリムシ株による新産業樹立の可能性検討

スケジュール（予定）

2019年4月3日～5月31日：
理研版クラウドファンディングによる資金募集
2019年6月～8月：
サンプリングと解析
2019年8月：
寄附者への中間報告
2019年9月～2020年2月：
ミドリムシの各種解析
2020年3月：
寄附者・サンプル提供者への最終報告書の送付、学会等における発表

参加方法

• 1.クラウドファンディング
  参加方法：理研版クラウドファンディングシステムで実施します。
  参加に関する詳細は、募集特定寄附金をご覧ください。
• 2.市民参加型研究（『ご当地ミドリムシ』の収集）
  参加方法：「みんなのミドリムシプロジェクト」HPにて募集します（2019年6月より）。なお、スーパーサイエンスハイスクール対象校（高校単位）などの参加を予定しています。
  参加に関する詳細は、「みんなのミドリムシプロジェクト」のホームページをご覧ください。

補足説明

• 1.

  産業界との融合的連携研究制度

  新規事業・製品化を目指すうえで企業が抱える研究開発課題に対し、企業と理化学研究所の研究力を融合して取り組むために企業・理研の混成チームを理化学研究所内に設置する制度。

• 2.

  理研版クラウドファンディングシステム

  理化学研究所が『未来を共につくる研究課題』の募集として、あらかじめ研究テーマ・プロジェクトなどの使途を特定し、支援を募集する寄附金。

問い合わせ先・機関窓口

問い合わせ先

理化学研究所 バトンゾーン研究推進課
bz-office[at]riken.jp
Tel: 048-462-5459 / Fax: 048-462-4715

株式会社ユーグレナ
Tel: 03-3453-4907 / Fax: 03-5442-4907
E-mail：yamada[at]euglena.jp

寄附金についてのお問い合わせ

理化学研究所 外部資金室 寄附金担当
Tel: 048-462-4955
E-mail：kifu-info[at]riken.jp

※上記の[at]は@に置き換えてください。

機関窓口

理化学研究所 広報室 報道担当
Tel: 048-467-9272 / Fax: 048-462-4715
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