坂井 南美 主任研究員(開拓研究本部 坂井星・惑星形成研究室)と寺尾 知可史 チームリーダー(生命医科学研究センター ゲノム解析応用研究チーム)が第21回(令和6年度)日本学術振興会賞を受賞しました。
日本学術振興会賞は、人文学、社会科学及び自然科学にわたる全分野において、国内外の学術誌等に公表された論文・著書・その他研究業績により学術上特に優れた成果をあげたと認められた45歳未満の若手研究者に贈られる賞です。
坂井 南美 主任研究員
受賞業績『星・惑星系形成領域の化学的多様性とその進化』
新たに形成されつつある星・惑星系の化学組成が天体ごとに異なることを発見し、系外惑星が形態的多様性だけでなく化学的多様性も持つことを明らかにしました。この発見は、太陽系の物質的起源の研究にも繋がることが期待されています。また、原始惑星系円盤の外縁部での温度上昇による化学変化や、円盤とエンベロープガスの回転軸の不整合も明らかにしました。これらの成果により、今後もアストロケミストリー分野で主導的な役割を果たし、天文学・惑星科学・化学分野の融合研究を推進していくと期待されています。
コメント
これらの成果を得るために多くの方々に支えていただいたこと、そして、星間化学という基礎科学分野でありながらその意義を評価いただけたことに深く感謝しております。超長期的視点では科学の進展に大きく寄与する可能性を秘めた分野なので、今後もその可能性を信じて努力を続けてまいります。
寺尾 知可史 チームリーダー
受賞業績『臨床応用を見据えたゲノム多型解析手法の開発』
高安動脈炎の研究で重要な遺伝子IL12Bを同定し、さらにIL12Bが産生する分子IL12p40の発現が病態に関与し、治療標的となりうることを明らかにしました。また、機械学習を活用してゲノム構造多型から組織特異的な転写制御変化を予測する手法や体細胞モザイクを効率的に検出する統計手法を開発しました。このように創造性・独創性に富んだ複数のゲノム多型解析手法を開発し、世界的にも重要な研究成果をあげてきたことから、今後も世界をリードする研究者としての活躍が期待されています。
コメント
この度は大変光栄に思います。本研究分野は一人では決してできず、多くの患者さんや共同研究者の御協力のおかげです。今後も臨床に還元できる研究を目指して努力します。推薦くださった先生方、多くの労をお取りくださった本庶佑先生に深謝申し上げます。