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2019年4月2日

東京大学
長崎大学
理化学研究所
科学技術振興機構
キッコーマン株式会社

抗寄生虫薬などとして期待されるアスコフラノンの生合成マシナリーの解明と選択的大量生産系の構築に成功

-微生物由来抗生物質の工業スケールでの大量生産に向けて-

メロテルペノイド化合物(テルペンとポリケタイドの部分構造を併せ持つハイブリッド型化合物)は、コレステロール低下や免疫抑制活性など数々の生理作用を持つ天然化合物です。その複雑な骨格を化学合成するのは容易でなく、生物生産系による物質生産が期待されていました。

東京大学大学院薬学系研究科の阿部 郁朗教授、淡川 孝義講師、長崎大学大学院熱帯医学・グローバルヘルス研究科の北 潔研究科長(東京大学名誉教授)、理化学研究所革新知能統合研究センター遺伝統計学チームの松崎 素道研究員、キッコーマン株式会社の荒木 康子研究員、伊藤 考太郎チームリーダーらの研究グループは、抗寄生虫、抗腫瘍など多様な生理活性を持つ微生物由来のメロテルペノイド化合物アスコフラノンと、その類縁化合物であるアスコクロリンの生合成経路を解明し、アスコクロリン生合成経路を遺伝子破壊することで、1Lあたり500mgを超える高収量のアスコフラノン選択的生産系の構築に世界で初めて成功しました。その生合成経路は、共通の前駆体から特異な酸化酵素とテルペン環化酵素によって二つの生合成系が分岐する、新規性の高い経路でした。

本研究成果は、医薬品シードとして極めて有望であるアスコフラノンの安価な大量生産が実現するに留まらず、新規骨格メロテルペノイド創出の基盤構築を通して幅広い創薬研究へ貢献することが期待されます。

詳細は東京大学のホームページをご覧ください。

報道担当

理化学研究所 広報室 報道担当
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