About us

地球上で動物界最大の生物集団である昆虫は、全動物種の78%を占め、誕生以来4億年という歳月の間、我々の先達として様々な環境に適応し、生息域を拡げてきた。その過程で、昆虫は我々脊椎動物とは全く異なった進化を遂げ、脱皮・変態など、高等脊椎動物にない独自のシステムと数多くのユニークな機能や能力を獲得してきた。しかし、昆虫と高等脊椎動物とでは形態的にも生理的に大きな違いがあるにも拘わらず、両者の生命現象を支える機能分子やその仕組みには多くの類似性や共通性、保存性が認められる。その結果、例えばフェロモンの概念やショウジョウバエから見出されたホメオティック遺伝子など、昆虫での基礎科学研究から発信された成果が今日の基礎生物学・生命科学の発展に貢献をした例は数多い。

一方で、人類誕生以来、昆虫は我々人類の共存者として生態的のみならず社会的・経済的にも常に無視できない存在であった。すなわち、人類が農耕生活を始めて以来、数千年のあいだ、害虫との戦い(害虫防除)は常に農業における最重要課題の一つでありつづけている。また、ゴキブリ、ダニ、カ、ハエ、シラミに代表される衛生害虫は、病原体を媒介し、時として虫体自体がアレルゲンとなって我々に重篤な疾病を引き起こし、最近では北アメリカでイエカが媒介するウイルスにより西ナイル熱が蔓延したように、現代社会における大きな社会問題となることも多い。

これらの観点から、私たちの研究室では、昆虫あるいはそれを構成する組織・細胞が示す固有の機能発現の分子機構を解明するとともに、昆虫を見据え、その特性を生かした新しい系、方法論を確立し、これらの成果を基礎研究のみならず、新しい害虫制御技術の開発などの応用面にも生かすことを目指しています。

News & Topics 過去のNews
2010.12.20 ウェブサイトを公開しました。
2010.##.##
2010.##.##

〒351-0198 埼玉県和光市広沢2-1
 独立行政法人 理化学研究所
 基幹研究所
 生物科学研究棟S-205