宇宙エネルギー工学 -宇宙太陽光発電とその関連技術-
東海大学 電子情報学部 非常勤講師時 講義内容
宇宙太陽光発電とは、次世代の発電方式として考案された技術であり、人工衛星軌道上で発電した電気エネルギーをマイクロ波によって無線で地上に配電し利用する新しい発電概念である。
最大の特徴は、発電システムのスケールの大きさにある。システムの設置範囲が限定される地上に対して、宇宙では空間に制限が無いに等しいため、想定されている太陽電池パネルの大きさは1km単位にも及ぶ。また、従来の無線通信とは異なり、地上のある特定の受電区域にマイクロ波を集中照射するため、直径数百mの巨大な送電アンテナが要求される。
本講義では、宇宙太陽光発電を軸として、マイクロ波や発電などの要素技術について紹介し、同時に通信や人工衛星などの関連技術を交えながら宇宙工学全般の説明を行った。
- 宇宙太陽光発電の概要
- 太陽光発電と半導体
- アンテナ、電波伝搬
- マイクロ波電力伝送と無線通信技術
- マクスウェルの電磁方程式による電磁波の理論
- 人工衛星、惑星探査、深宇宙探査
- ロケット、再突入機
- 巨大宇宙構造物の建築、運搬(宇宙コロニー、宇宙ステーション)
- 宇宙環境の影響(宇宙放射線、宇宙デブリ)
- 最新の宇宙太陽光発電研究の紹介