NMRによる水の解析

photo_kigawa
木川 隆則
生命分子システム基盤研究領域
副領域長





タンパク質の構造・機能発現における水の役割の解明

生体において様々な機能を担うタンパク質等の生体高分子は、通常、水に取り囲まれており、その構造形成や機能発現に水が重要な役割を果たしていると考えられています。例えば、水環境にあるタンパク質の表面には、水和水と呼ばれるタンパク質の表面に張り付いた通常の水分子とは異なる性状の水分子が存在しており、タンパク質表面の原子との間で様々な相互作用をして、タンパク質構造の安定化や分子認識に関わっています。  近年、測定装置や技術の飛躍的な進歩により、これら水分子の姿を精密に観測することが可能となってきました。我々は、核磁気共鳴(NMR)法などの物理化学的手法を活用して、タンパク質の表面や内部に存在する水分子が、その構造形成や機能発現に果たす役割について解明することを目指します。

fig_kigawa