理研について

理化学研究所 行動規範

平成27年3月26日

科学は、未知なる世界を理解したいという人間の本能的な欲求に基づき、研究という営みによって築かれる知の体系である。人類は永きにわたる科学研究によって自然の奥に潜む真理を明らかにし、知の世界を拡げてきた。また、人類は科学の成果を利用して幾多の課題を解決し、文明社会を大きく成長させてきた。一方で、社会の急速な発展は、地球規模の複雑な問題を引き起こし、その深刻さと将来に及ぼす影響はますます大きくなっている。科学がそれらの解決において果たす役割はより一層重要となった。つまり、科学は、現在と未来の人類に対して、健全な環境を持続させるべく、責任を持って用いられなければならない。

理化学研究所は、1917年の創立以来、我が国随一の自然科学の総合研究所として、科学技術史に永く残る成果を挙げ、生み出された成果を社会へ還元してきた。この歴史的な信認が、理化学研究所を社会の負託の受け皿たらしめている。その構成員である私たちには、理化学研究所の活動を継続・発展させることを通じて、未来に生きる人々の健康で安全な暮らしの実現と、科学と文明の持続的な発展に貢献する機会を社会から与えられているのである。

したがって、理化学研究所の研究者には、自律的に真理を探究して公表する権利とともに、研究者自らの専門知識や技術の質を高く保ち、専門家として社会の負託に応える義務が課せられる。さらに、理化学研究所の国家的な研究事業をはじめとする事業活動は、研究者のみならず役員や事務職員等の科学研究に関わる全ての役職員が各自の専門性の立場から参画した協働作業である。その結果が社会に及ぼす影響に鑑みれば、事業活動を遂行する全ての役職員は、社会に対して事業活動を説明する責任を負っている。これらの責務を果たし、世界的な研究成果の創出と社会への多面的な貢献をするために、理化学研究所に働く全ての役職員は、最大限の努力と協力を行う必要がある。

私たちは、このような理化学研究所の事業活動が、社会の信認の上に成り立っていることを自覚しなければならない。すなわち、私たち理化学研究所の役職員は、研究者として、あるいは事業活動を推進する担い手として、注意深い判断のもと、公正かつ倫理的に使命を全うし、社会に対し誠実で責任ある行動をとる義務を有する。

次世代の科学技術を担う人材の育成も私たちの重要な役割である。理化学研究所は永きにわたって、我が国を代表する優秀な人材を数多く輩出し、それによって研究活動を受け継いできた。私たちは、お互いの人格や人権を尊重し、支え合うとともに、将来にわたり地球社会で活躍する仲間として、高め合う責任を負っている。

理化学研究所が社会にとってかけがえのない存在であり続けることができるよう、私たちは、以下の行動を実践する。

  1. 私たちは、普遍的な知を新たに見出し、育むことを通じて、未来に生きる人々の健康で安全な暮らしの実現と、社会の持続的な発展に貢献する。
  2. 私たちは、自律的に研究を行う権利とともに、専門家として社会の負託に応える義務を持ち、事業活動を社会に対して説明する責任を負う。
  3. 私たちは、事業活動が社会の信認の上に成り立つことを自覚し、注意深い判断のもとで、公正にかつ倫理に則って事業活動を行う。
  4. 私たちは、互いの人格と人権を尊重し、将来にわたり地球社会を共に担う責任を負う。
  5. 私たちは、法令と所内規程を遵守する。