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2021年9月10日

東京大学
高輝度光科学研究センター
理化学研究所
兵庫県立大学

鉄系超伝導体の超高速な結晶構造変化を実現

-光による新しい超伝導操作の可能性を示唆!-

東京大学物性研究所の鈴木剛助教と岡﨑浩三准教授らは、高輝度光科学研究センター(JASRI)の久保田雄也博士研究員(研究当時、現:理化学研究所放射光科学研究センター基礎科学特別研究員)、東京大学物性研究所の和達大樹准教授(研究当時)らとの共同研究で、鉄系超伝導体BaFe2As2における結晶構造の超高速変化をX線回折法の時間分解測定により直接観測し、ダイナミクスの追跡に成功しました。その結果、光照射して30ps(ピコ秒=1兆分の1秒)という超高速な時間の後に、瞬間的に0.1GPaという巨大な応力が結晶表面に印加され、結晶構造が変化することを世界で初めて明らかにしました。

鉄系超伝導体は、圧力や同族元素置換などによるわずかな結晶構造変化により超伝導転移温度が急激に上昇することから、基礎学理及び応用の観点から大きな注目を集めていました。今回の発見により、光が鉄系超伝導体の結晶構造を瞬間的に変える新しい制御手段になり得ることを実証しました。今後、光を利用した結晶構造制御や他の物質における研究がますます盛んになり、さらにそれを応用した次世代光デバイスの開発が促進されることが期待されます。

詳細は東京大学 物性研究所のホームページをご覧ください。

報道担当

理化学研究所 広報室 報道担当
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