理化学研究所(理研)創発物性科学研究センターの有田 亮太郎 チームリーダー、東京大学 大学院理学系研究科の明石 遼介 助教、常行 真司 教授、同大学院工学系研究科の佐野 航 大学院生(当時)らの共同研究グループは、理論と数値シミュレーションにより、硫化水素結晶が高温超伝導体へと変わる過程をになう無数の中間生成物「マグネリ相」を見いだしました。「マグネリ相」が示す超伝導転移温度をシミュレートしたところ、今まで説明がつかなかった実験値のふるまいが精確に再現されることが分かりました。今回の成果は、硫化水素の高温超伝導のしくみの完全解明の手がかりを与えるだけでなく、超伝導転移温度のさらなる更新のための重要な知見を与えると期待されます。
一般的に、金属の超伝導現象は液体窒素などで極低温に冷やすことで発現します。超伝導をどの程度高温で発現させることができるかという問題は、基礎物理としての面白さのみならず、リニアモーターカーや送電網などへの将来の応用を夢見て長年追求されてきました。近年、硫化水素を150万気圧という超高圧で圧縮するとマイナス70℃で超伝導を示すようになるという実験が報告され、大きな注目を浴びています。しかし、この超伝導相が圧力下で形作られる過程は謎のままでした。
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理化学研究所 広報部 報道担当
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