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2021年6月28日

筑波大学
理化学研究所
科学技術振興機構

生命科学実験の効率的な自動化を実現するスケジューリング手法を開発

生命科学実験をロボットなどの機器を用いて自動化し、人が行うよりも大幅に効率化したり、実験の再現性を向上させたりする試みが、世界的に始まっています。実験の自動化において、さまざまな種類の機器を連携させ、複数の実験を並列に実行することができれば、さらなる効率化が可能です。このため、どの機器で、いつ、どの手順を実行するかを決定するためのスケジューリング手法が研究されてきました。しかし、生細胞や不安定な生体分子を扱う実験の中には、素早く行わなくてはならない手順があり、このような時間制約は、これまで十分に考慮されていませんでした。

本研究では、こういった時間制約のある実験手順を複数の機器で効率よく実行するためのスケジューリング問題に対して、混合整数計画問題として数理的に定式化した上で、分枝限定法を用いて解を求める方法を開発しました。この方法では、シミュレーションにより、時間制約を満足させながら全体の実行時間が最小となるようなスケジュールを決定することが可能です。

さらに、あらかじめ決められた実験プロトコルや実験室の構成に基づいたスケジューリングだけでなく、シミュレーション結果を、実行時間を短縮する実験プロトコルや実験室の構成の設計にも利用できることを示しました。

本手法により、異種・多数のロボットに実験を効率よく実行させることが可能となり、ロボット実験施設の実現に向けた基盤技術となることが期待されます。

詳細は筑波大学 TSUKUBA JOURNALのホームページをご覧ください。

研究代表者

筑波大学医学医療系
尾崎 遼 准教授

理化学研究所 生命機能科学研究センター バイオコンピューティング研究チーム
高橋 恒一 チームリーダー

報道担当

理化学研究所 広報室 報道担当
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