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2021年11月15日

京都大学
理化学研究所
大阪大学

光で記憶を消去する

-よい記憶に睡眠が必要な理由を解明-

アメリカ映画、『Men in Black』では、Will Smith扮するエージェントJが、秘密の道具「ニューラライザー」から光を照射して、エイリアンを目撃した人々の記憶を消去していきます。京都大学大学院医学研究科 後藤明弘 助教、林康紀 同教授、理化学研究所脳神経科学研究センター 村山正宜チームリーダー、Thomas McHughチームリーダー、大阪大学産業科学研究所 永井健治栄誉教授らのグループの研究により、そんなSFのようなことができるようになりました。

後藤助教らは、まずイソギンチャク由来の光増感蛍光タンパク質を使って、シナプスのタンパク質を光照射により不活化することを試みました。このタンパク質は光を照射すると、活性酸素を放出し周囲のタンパク質を不活化します。この性質を利用すると、記憶を起こしたシナプスのみを消すことができました。

次に、このタンパク質を脳の様々な部位に導入すると、光を使って記憶を消すことができるようになりました。面白いことに、学習の直後に記憶ができるシナプスや、その後の睡眠中に記憶ができるシナプス、次の日の睡眠中に記憶ができるシナプスが、脳の異なった部位にそれぞれ存在することがわかりました。本研究により、記憶を長期間保つ、睡眠の機能の新しい細胞モデルを提唱し、記憶・睡眠研究の前進に貢献しました。

詳細は京都大学のホームページをご覧ください。

報道担当

理化学研究所 広報室 報道担当
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