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理研DAY:研究者と話そう!「タンパク質のおもろい世界」、ハイブリッド開催 in大阪

理研DAY:研究者と話そう!「タンパク質のおもろい世界」、ハイブリッド開催 in大阪の画像

理研は、研究者と直接話ができるオンラインイベント「理研DAY:研究者と話そう!」を、1月26日(金)に初となるハイブリッド形式で開催します。現地会場は「まちなかリビング北千里」(大阪府・吹田市)で、現地参加には事前申込みが必要です(オンライン参加は予約不要)。

私たちの体の多くの機能を支えている「タンパク質」は、細胞の中でどのようにつくられているのでしょうか。そのカギは、遺伝子、つまりDNAにあります。DNAは、目の色や手の形など、私たちの遺伝的な特徴を決める重要な設計図です。この設計図をもとに、タンパク質をつくるのに必要な道具「RNA」が生み出され、RNAの働きによりタンパク質が完成します。最近では、新型コロナウイルスワクチンの中にRNAの一種であるmRNA(メッセンジャーRNA)を利用したものが話題になりました。このように人工的にRNAをつくる技術が確立されることは、人工的にタンパク質をつくる技術へとつながっていきます。

今回の理研DAYは、タンパク質の奥深さを紹介するとともに、こうした複雑な仕組みでつくられているタンパク質を人工的に合成する研究についてお話します。お近くにお住まいの方はぜひ、大阪会場で研究者に気軽に質問してみましょう!なお、今回は中学生以上が対象ですので現地参加の方はご注意ください。
また、今回は通常のZoom配信を行わず、YouTube配信のみとなります。オンライン参加者からの質問は、質問投稿サイトSlidoで受付けます。オンライン参加もお待ちしております!

いろいろなアミノ酸を順番につないでタンパク質を作るときに働いているRNAの分子模型の画像 いろいろなアミノ酸を順番につないでタンパク質を作るときに働いているRNAの分子模型

理研DAY

研究者って、どうやって研究をしているの? 普段はどんな⽣活をしているの?
そんな疑問、質問を研究者に聞いてみませんか。

開催日 2024年1月26日(金)
時間 18:00-18:45
(18:00 開始~18:30 オンライン配信終了~18:45 現地会場終了)
※現地会場は17:30頃から受付開始予定
登壇者 清水 義宏 チームリーダー
生命機能科学研究センター 無細胞タンパク質合成研究チーム
テーマ タンパク質のおもろい世界
対象 中学生~大学生、一般
現地参加申込み方法
(先着順・事前申込み制)
申込みフォームからお申込みください。
締切:2024年1月25日(木)15:00(申込み上限に達した場合、早めに締め切る可能性があります。)
現地参加会場 まちなかリビング北千里(大阪府吹田市古江台3-8-1、2F会議室1~3)
視聴方法 YouTubeでライブ配信予定。
視聴URL:「理研DAY:研究者と話そう!「タンパク質のおもろい世界」、ハイブリッド開催 in大阪
質問は、質問投稿サイトSlidoへ書き込んでください。
ポスター 理研DAY:研究者と話そう!「タンパク質のおもろい世界」、ハイブリッド開催 in大阪 ポスター
アンケート 理研DAYアンケート
お問い合わせ先 理化学研究所 広報室
Email: event-koho [at] riken.jp
※[at]は@に置き換えてください。

当日に答えられなかった質問の回答

Q.無細胞タンパク質合成ではスプライシングは行うのですか?
A.スプライシングはmRNAの段階で行われるので、投入するDNAやmRNAをデザインすることでスプライシング過程を経たものと同じタンパク質を合成することは可能です。スプライシングの過程自体は理論的には無細胞系中でも実装可能と思われますが、わたしたちの研究室では実装したことはありません。
Q.ヒトの体内にあるタンパク質は推定10万種類ほどとのことですが、どうやって予想したのですか?
A.ヒトには約2万3千種類の遺伝子があります。各遺伝子からはスプライシングと呼ばれる過程を経て配列の異なるタンパク質が複数種類合成されるため、ざっくり10万種類ほどのタンパク質が存在すると推定されています。
Q.野菜のみでも体内でタンパク質が作られて栄養的には大丈夫とのお話がありましたが、逆にお肉だけ食べて野菜食べないのはどうですか?
A.取れるアミノ酸の種類は確保できるので、タンパク質的には大丈夫ですし、牛などはそもそも草を食べて生きているので、栄養素的にも大丈夫かなと思いますが、ビタミンなどのいくつかの栄養素は摂取しづらくなると思いますので、バランス良く食事をするのがいいんじゃないかなと思います。
Q.アルツハイマーの原因と言われるタウタンパク質は認知症以外の、例えば子供の体の中にもありますか?
A.アルツハイマーの原因とされているタウタンパク質はそもそもヒトが持つ遺伝子の一部ですので、子供の体の中でも発現しています。それらのタンパク質の蓄積などが問題とされているため、存在するだけでアルツハイマーになるわけではありません。
Q.たんぱく質と一言ではくくることができないくらい色々な種類のたんぱく質がカラダの中にあるんですね。面白いです。カラダの中の特定のたんぱく質を育てるような食べ方や食材などはあるのでしょうか?(例えば、筋肉や髪などを育てるにはこれがおすすめなど)
A.含まれるアミノ酸の種類が偏るようなタンパク質にとっては有効かもしれませんが、体の中ではアミノ酸が別のアミノ酸に変化するような代謝なども行われているので、食べるものによって特定のタンパク質を育てるように制御するのは逆に難しいとも考えられるので、やはり食事はバランス良く、そして筋肉を育てるためには運動をした方がよいかと思います。髪の毛は、、遺伝的な部分も影響しそうなので、個人差がありますよね(悲)
Q.飲酒した時にタバコを吸うと一気に酔いが回るのは何故ですか?
A.あまり詳しくないですが、喫煙をすると血管が収縮する気がしますので、それによってクラクラする効果と酔っ払ってる効果の複合で酔いが回ってるように感じるのかも?ちょっと専門ではないので、よくわかりません!
Q.DNAを後天的に追加する(お酒弱い人を強くするなど)ような研究は進んでますか?理論的には可能なのでしょうか?
A.肉体が完全に育った後に全身のDNAを変化させるような研究はまだまだ難しいかもしれませんが、血中の細胞を後天的に変化させるCAR-T療法など、すでに臨床応用されている研究も存在します。
Q.今興味を持って作りたいと思っているタンパク質はありますか?
A.現在私達の研究室では、リボソームを頑張って作る研究をしています。
Q.絆創膏のガーゼの部分にアルコールを浸して腕の内側に貼って赤くなるかどうかというアルコールパッチテストをしたのですが、それはどのような仕組みですか?
A.アルコールを皮膚に塗ると皮膚表面で、アセトアルデヒドという物質が生成され、これが毒物として機能し、皮膚が赤くなります。ところが、アセトアルデヒドを分解する酵素(アルデヒド脱水素酵素2)が強い、お酒に強い人はアセトアルデヒドをすぐさま分解できるため、皮膚が赤くなりません。この違いにより、アルコールに強いか弱いかを判定します。
Q.昆虫などでは糖類を主に摂食するものも多いですが、体内で糖からアミノ酸を合成することは可能なのでしょうか?
A.はい、糖からアミノ酸に変換する代謝経路も存在します。また、腸内細菌がそういった代謝を担うケースもあるのかなと思います。
Q.たんぱく質のここが面白いという推しポイントはありますか?
A.推しポイントは、とにかく配列の多様性がほぼ無限に存在するところだと考えています。それによって本当にいろんな機能を持つタンパク質が存在します。
Q.クラゲのタンパク質の話があったと思うのですが、そのようなタンパク質の構造の解析や3Dモデルの作成はどのように行うのですか?
A.結晶構造解析や最近だと電子顕微鏡解析なんかによって、タンパク質の構造を実験的に測定することによってモデルを作成します。理研の横浜では最新の電子顕微鏡を使って、いろんなタンパク質の構造解析が行われています。
Q.合成した光るタンパク質は、具体的にどのような事に実用されますか?また、すでに実用されてますか。
A.光るタンパク質と挙動を知りたいタンパク質を人工的に繋げて細胞などに導入し、細胞の中で、いつ、どこに、どの程度、知りたいタンパク質が働くのか、を詳しく調べる目印に使う研究なんかに応用されています。
Q.たんぱく質は目でみられますか?
A.蜘蛛の糸や蚕の繭なんかはタンパク質でできていて、目に見えているといえば目に見えているのかなと思います。細かい分子構造までは見えないですけど。
Q.植物性たんぱく質と動物性たんぱく質を一緒にとると筋肉がつきやすいとききましたが、どれぐらいの割合でとったら、成長しますか?
A.筋肉の付き方については専門ではないので、よくわかりませんが、バランスよく食事するのはよいことだと思います。
Q.コラーゲン配合の化粧品に関してなのですが、それを顔に塗って、肌に浸透するのでしょうか。タンパク質を肌の表面から摂取出来るのですか?
A.タンパク質は大きいので肌に浸透しづらく、保湿とかに効くのかなと思います。肌の表面からタンパク質を摂取することもありません。
Q.グルタミンとグルタミン酸の違いは何ですか?
A.グルタミン酸は、側鎖の末端にカルボン酸が存在し、酸性アミノ酸に分類されます。グルタミン酸が持つカルボン酸がアミノ基によってアミド化され、中和されたものがグルタミンで、親水性中性アミノ酸に分類されます。
Q.タンパク質を効率的に摂取する方法はありますか?
A.肉や豆など、タンパク質を多く含む食材を食べる、または、市販されているタンパク質(プロテイン)サプリメントを摂取するのが良いかなと思います。

以上

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