科学する女性
女性が学ぶことが難しかった時代から、知りたい気持ちにまっすぐに向き合い研究に没頭した女性科学者たちがいた。情熱的な生きざまに憧れる18冊。
2019

『世界を変えた50人の女性科学者たち』
- レイチェル・イグノトフスキー(著)野中 モモ(訳)
- 創元社 2018年
女だって研究がしたい!情熱で道を切り拓いた50人
マリー・キュリーだけじゃない!科学や技術、工学、数学の分野で活躍しながらも歴史の陰に隠れがちだった女性科学者。世界を変えた古今東西の女性たち、その夢と冒険に満ちた足跡を追う。
2019

『すべてのいのちが愛おしい─生命科学者から孫へのメッセージ』
- 柳澤 桂子(著)赤 勘兵衛(絵)
- 集英社 2007年
いのちは歌い、華やぎ、めぐる 感性をひらく50通の手紙
生命科学者のおばあちゃんから孫の里菜ちゃんに届いた50通の手紙。誰に教わることもなくチョウの幼虫は脱皮し、ウミガメは生まれた場所に戻ってくる。いのちと自然の不思議へ、驚嘆する感性をひらいてくれる。
2019

『ラボ・ガール─植物と研究を愛した女性科学者の物語』
- ホープ・ヤーレン(著)小坂 恵理(訳)
- 化学同人 2017年
芽吹き、花咲き、実がなるように ラボを築いていく女性の半生
植物に魅せられた少女、ホープ・ヤーレンが研究者を志し、自分の理想のラボを築き上げる様子を描いた自伝的物語。男性中心の学問界での苦労、信頼できる仲間との友情、出産の喜びが、四季の木々への眼差しとともに鮮やかに描かれる。
2019

『ロケットガールの誕生─コンピューターになった女性たち』
- ナタリア・ホルト(著)秋山 文野(訳)
- 地人書館 2018年
縁の下でNASAを支えていた!スーパーウーマンたちの熱い日々
1940年代に始まるアメリカの宇宙開発の裏には、数学に秀でた女性たちがいた。「コンピューター」と呼ばれた彼女たちは、ロケットを設計し初のミサイルの打ち上げに貢献した、エンジニアの先駆けだった。インタビューで蘇る、宇宙にかけた情熱の日々。
2019

『CRISPR(クリスパー)─究極の遺伝子編集技術の発見』
- ジェニファー・ダウドナ、サミュエル・スターンバーグ(著)櫻井 祐子(訳)須田 桃子(解説)
- 文藝春秋 2017年
遺伝子編集技術を開発したダウドナ博士による手記
ヒトゲノムを構成する約32億文字から、たった一字の誤りを探し出し修正する技術、CRISPR-Cas9。著者のダウドナ博士は自分の開発した技術が病の治療に限らず、遺伝子操作技術として広がっていく様におののく。臨場感溢れる生命倫理の「いま」。
2019

『研究するって面白い!─科学者になった11人の物語』
- 伊藤 由佳理(編著)
- 岩波書店 2016年
研究も、人生も、諦めない!「女性科学者」のリアル
テレビディレクターを辞めて研究者を目指し直したり、日本を飛び出してアメリカの政府機関で働いたり、結婚・出産と研究をどうにか両立させたり。11人が語る研究内容にワクワクし、女性科学者としての生き方に勇気をもらう。Girls, be ambitious!
2019

『マリー・キュリー─新しい自然の力の発見』
- ナオミ・パサコフ(著)オーウェン・ギンガリッチ(編)西田 美緒子(訳)
- 大月書店 2007年
世界初2度のノーベル賞受賞 マリー・キュリーの栄光の裏側
女性初のノーベル賞受賞者であり、歴史上初の二つ目のノーベル賞受賞者でもあったマリー・キュリー。夫ピエールとの共同研究による放射性元素ラジウムの発見は、20世紀の科学を大きく変えた。貧困や中傷などの苦難を乗り越え、輝かしい功績を得た不屈の人生を辿る。
2019

『センス・オブ・ワンダー』
- レイチェル・カーソン(著)上遠 恵子(訳)
- 新潮社 1996年
自然の神秘に感動する力 それは全ての子どもへの贈り物
子どもたちの世界はいつも新鮮で美しく、驚きと感激にあふれている。地球の声に耳を傾けるべき今こそ、神秘さや不思議さに目を見はる感性=センス・オブ・ワンダーを取り戻そう。『沈黙の春』で環境汚染に警鐘を鳴らしたレイチェル・カーソンが最後に残したメッセージ。
2019

『生きがいについて』
- 神谷 美恵子(著)柳田 邦男(解説)
- みすず書房 2004年
ハンセン病患者を通して知る人生における生きがいの意味
1914年に生まれ、戦中から精神科医として活躍した神谷 美恵子。ハンセン病療養施設で働くなかで見つけたのは、「苦しみや悲しみの底にあってなお朽ちない希望や尊厳」だった。患者や哲学者の言葉を取り上げながら、生きがいの価値を語る。1966年発行以降、読みつがれる命の書。
2019

『ダーウィンと出会った夏』
- ジャクリーン・ケリー(著)斎藤 倫子(訳)
- ほるぷ出版 2011年
おじいちゃんと研究ざんまい!科学に目覚めた少女の物語
1899年夏のテキサス。たった一人で「実験」をしている変わり者の祖父の手伝いをするようになった、11歳の少女コーリー・ヴィー。二人は様々な観察や実験を重ね、ついには新種と思われる植物を発見するが…。女性が勉強するのも難しい時代、科学の心を芽生えさせた少女の物語。
2019

『飼育少女(1)~(3)』
- 仲川 麻子(著)
- 講談社 2018年
ヒドラ、クマムシ、ウミグモ萌え マイナー生物、飼いませんか?
バク転できる永遠のアイドル“ヒドラ”、羽根扇をひるがえす貴婦人“フジツボ”、食住合体の夢のマイホーム“ナマコ”。ごく普通の女子高生のぞみが、生物教師の対馬に見出され、ちょっと変わった生物の飼育にハマっていく。身近にいるのに気付かれにくい、ユニークな生物たちの飼育漫画。
2019

『ほぼ命がけサメ図鑑』
- 沼口 麻子(著)
- 講談社 2018年
サメ好き女性が体当たり取材、海の悪役の知られざる生態
映画『ジョーズ』のホホジロザメは人を襲わない?サメはメスだけで妊娠できる?サメの天敵はシャチ?サメ好きが高じて、世界で唯一のシャークジャーナリストになった女性が、全国を飛び回りサメを徹底解剖!誤解と偏見に満ちたサメの真実の姿を明かす。
2019

『苔とあるく』
- 田中 美穂(著)伊沢 正名(写真)浅生 ハルミン(イラスト)
- WAVE出版 2007年
小さくて広大なコケの世界 通学路でも探してみよう
身近に生えるコケ。その種類は日本だけでも2000もあるという。著者はコケ好きの古本屋の店主さん。コケ観察の道具や、採集方法、標本の作り方、そして食べ方までを紹介する。小さいけれど奥深いコケの世界。自宅の庭で、通学途中で、近所の神社で、コケを探してみよう。
2019

『世界でさいしょのプログラマー─エイダ・ラブレスのものがたり』
- フィオナ・ロビンソン(著)せな あいこ(訳)
- 評論社 2017年
1840年代にプログラムの仕組みを考案した貴婦人
産業革命期のイギリスで、詩人のバイロンと数学者の母との間に生まれた、機械好きの女の子エイダ。発明家のチャールズ・バベッジとの出会いから、新たな計算機の発明に関わり、驚くべきプログラムの仕組みを考えついた。100年の時を超えてコンピュータ設計者を驚かせた女性の伝記絵本。
2019

『数字はわたしのことば─ぜったいにあきらめなかった数学者ソフィー・ジェルマン』
- シェリル・バードー(著)バーバラ・マクリントック(絵)福本 友美子(訳)
- ほるぷ出版 2019年
フランス革命期。数学に人生をかけた女性の生きざま
フランス革命の最中のパリに、大砲の音もものともせずひたすら数学に熱中していた少女がいた。女性であるという理由で大学に行くこともできず、アカデミーにもなかなか認められなかったソフィー・ジェルマン。現代建築にも利用される「振動の方程式」を証明するまでを描いた、夢見る少女の感動の実話。
2019

『宇宙飛行士になる勉強法』
- 山崎 直子(著)
- 中央公論新社 2015年
宇宙に行きたい!夢のために積み重ねてきた努力の足跡
「人間は宇宙のかけらでできているんだよ」。理科の先生の言葉で宇宙に行くことを夢見た少女は、いかにしてその夢を実現したのか。日本人女性としては二人目の宇宙飛行士となった山崎 直子が、東大受験やアメリカ留学、宇宙飛行士選抜試験など、自らの努力の足跡を振り返る。「宇宙兄弟」の作者との対談も掲載。
2019

『奇跡の脳─脳科学者の脳が壊れたとき』
- ジル・ボルト・テイラー(著)竹内 薫(訳)
- 新潮社 2012年
脳卒中で倒れた脳科学者が語る脳のたくましさと美しさ
新進気鋭の脳科学者だった著者が、37歳にして突然発症した脳卒中。今までに経験したことのない体の異常に戸惑いながらも、彼女が感じたのは、「脳の機能が失われていく過程を今まさに体験している」という恍惚感だった―。専門家ならではの視点から、脳卒中との闘病とそこからの回復の過程を綴る。
2019

『ダークマターと恐竜絶滅─新理論で宇宙の謎に迫る』
- リサ・ランドール(著)向山 信治(監訳)塩原 通緒(訳)
- NHK出版 2016年
恐竜が絶滅したのはダークマターが原因だった!?
宇宙形成に大きな役割を果たしたと考えられている謎多き物質、ダークマター。一体宇宙にどのような影響を及ぼしたのか?その正体は?宇宙の発生から説き起こし、恐竜絶滅の原因とされる彗星にフォーカス。理論物理学者のリサ・ランドールが、日々の出来事を織り交ぜながら、大胆に仮説を進めた1冊。