宇宙フロンティア
太古から見上げてきた宇宙に人類は今、進出しようとしている。我々は何を知り、どこまで行けるのだろう。果てしなく広がる宇宙の地平にロマンを感じる16冊。
2020

『宇宙創成(上)(下)』
- サイモン・シン(著)青木 薫(訳)
- 新潮社 2009年
世界はどのように始まったのか ビッグバンをめぐる科学発展史
ガリレオ、ニュートン、アインシュタイン……あまたの科学者が挑んだ「宇宙の始まり」という大きな謎。ビッグバン宇宙論をめぐる天文学者・物理学者らの挑戦と挫折を、稀代のサイエンスライター、サイモン・シンが描き出す。人類が積み重ねた科学の軌跡に胸が熱くなる。
2020

『天空の地図─人類は頭上の世界をどう描いてきたのか』
- アン・ルーニー(著)鈴木 和博(訳)
- 日経ナショナル ジオグラフィック社 2018年
古今東西の天空図200枚で人類の想像力と宇宙観を辿る
古代から人間は空を見上げ、そこに夢を投影してきた。ギリシア神話の神アトラスが支えた天空、コペルニクスの太陽系、3600年前の天文盤から最先端の宇宙技術が見せる圧巻の木星写真まで。緻密な絵画や天文写真200枚とともに天文史を体感する。
2020

『宇宙への秘密の鍵』
- スティーヴン・ホーキング、ルーシー・ホーキング(著)佐藤 勝彦(監)さくま ゆみこ(訳)
- 岩崎書店 2008年
ホーキング博士が娘と書いた 宇宙を旅するものがたり
ホーキング博士と愛娘の作家ルーシーによる子どものための宇宙ファンタジー。小学生ジョージがスーパーコンピュータ・コスモスの力で宇宙を大冒険!夢中になって読むうちに、太陽系やブラックホールなど、宇宙に関する知識が自然と身につく。
2020

『ハッブル宇宙望遠鏡 25年の軌跡』
- 沼澤 茂美、脇屋 奈々代(著)
- 小学館クリエイティブ 2016年
旅する望遠鏡が映し出す 宇宙の圧倒的な美しさ
望遠鏡は天体からの光を観測する時に大気の影響を受けてしまう。ならばと、口径2.4mのハッブル望遠鏡は宇宙に設置された!それまでの観測データをすべて塗り替え、94億光年先の四つ葉型の天体「アインシュタイン・クロス」まで映し出す。深淵を感じる、宇宙写真集の決定版。
2020

『科学者18人にお尋ねします。宇宙には、だれかいますか?』
- 佐藤 勝彦(監)縣 秀彦(編著)
- 河出書房新社 2017年
宇宙人はいる?いない?珍回答続出にワクワク
「地球外生命体はいるのか?」という疑問に、生物学、化学、物理学、生命科学、天文学などの科学者18人が真剣に答える。「宇宙人は危険だ」「いや対話を図ろう」「宇宙人の教育テレビを傍受しよう」。見解は実に多種多様。研究者自筆の宇宙人イラストに思わずニヤリ。
2020

『宇宙のすがたを科学する』
- ギヨーム・デュプラ(著)渡辺 滋人(訳)
- 創元社 2018年
人類の想像力にあっぱれ!宇宙の形を楽しむ仕掛け絵本
宇宙はどんな形をしているのか。円筒形?ドーナツ型?泡の形?それともヒモ状?さまざまな仮説があるが、いまだ本当の姿は分からない。古代ギリシアに始まり、ガリレオ、ニュートン、アインシュタイン、そして最新の宇宙理論に至るまで。人類が想像してきた宇宙の姿を一望できる、贅沢な仕掛け絵本。
2020

『月へ─人類史上最大の冒険 アポロ11号月着陸50周年記念』
- ロッド・パイル(著)最所 篤子(訳)
- 三省堂 2019年
人類が月に着陸して50年 NASAアポロ計画の全歴史
1969年7月20日、アポロ11号が月に到着し、人類は偉大な一歩を踏み出した。1号から17号まで、アポロ計画の仔細な記録をもとに、月を目指した人々の栄光と苦悩を伝えるビジュアルブック。スマホをかざせば、当時の音声が蘇り、探査機の3D模型が現れる。臨場感たっぷりのAR機能付き。
2020

『惑星のきほん─宇宙人は見つかる?太陽系の星たちから探る宇宙のふしぎ』
- 室井 恭子、水谷 有宏(著)
- 誠文堂新光社 2017年
宇宙の不思議を探るには地球の兄弟、太陽系惑星から
水・金・地・火・木・土・天・海・(冥)。67のエピソードで紐解く、個性豊かな太陽系の仲間たち。1日が1年よりも長い水星、青い夕焼けが見える火星、水に浮くかもしれない土星、公転周期が165年もある海王星。「地球のご近所さん」たちの素顔から、宇宙の不思議が見えてくる。
2020

『冥王星を殺したのは私です』
- マイク・ブラウン(著)梶山 あゆみ(訳)
- 飛鳥新社 2012年
天文学の大事件「冥王星の降格」張本人が綴る、裏側のドラマ
2006年、天文学界に激震が走った。冥王星が「太陽系の第9惑星」から「準惑星」に降格したのだ。冥王星より遠くに「第10惑星」が発見されたことで、惑星の定義に論争が起き、惑星としての冥王星は殺されたー。幻の惑星発見から冥王星の降格決定まで、2年間を克明に綴ったノンフィクション。

推薦コメント
『冥王星を殺したのは私です』は科学の裏側が見えておもしろい。2006年に冥王星は太陽系惑星から準惑星に降格しましたが、この“事件”の当事者が書いたノンフィクションです。読んだ感想は「やっぱり研究者だな」。事実に対して真摯であろうと葛藤する姿勢に、科学者の良心と研究への熱い思いを感じ、とても共感しました。
坂井 南美(開拓研究本部 坂井星・惑星形成研究室 主任研究員)
2020

『幻の惑星ヴァルカン─アインシュタインはいかにして惑星を破壊したのか』
- トマス・レヴェンソン(著)小林 由香利(訳)
- 亜紀書房 2017年
相対性理論が明らかにしたもの それは、ある惑星の「不在」
19世紀後半、世界中の注目を集めた惑星ヴァルカン。ニュートン理論によれば太陽と水星の間に存在するという。科学者たちはこの星を躍起になって探索するも、いっこうに見つからない。謎を解いたのはアインシュタインの相対性理論だった。定説を覆し、惑星の不在を証明してみせた天才の物語。
2020

『重力波は歌う─アインシュタイン最後の宿題に挑んだ科学者たち』
- ジャンナ・レヴィン(著)田沢 恭子、松井 信彦(訳)
- 早川書房 2017年
「重力波天文学」の幕開け 観測に挑んだ研究チームの奮闘
2017年ノーベル物理学賞を受賞した「重力波の初検出」をめぐるドラマ。重力波はアインシュタインにより存在が予言された、物体の運動を波として伝える「宇宙の音」のようなもの。検出に成功したアメリカの重力波観測所LIGO(ライゴ)のメンバーを徹底取材し、研究チームのリアルを炙り出す。

推薦コメント
自分で観測装置をつくり、データを集める「物理屋」としては、実験観測をめぐるドキュメンタリー『重力波は歌う』をお薦めしたいです。重力波は100年前にアインシュタインが存在を予言しながら、2016年まで観測されていなかった現象です。検出にいたるまで、多くの人の挫折がありました。科学プロジェクトをどう進めるか、という視点でも楽しめます。
榎戸 輝揚(開拓研究本部 榎戸極限自然現象理研白眉研究チーム 理研白眉研究チームリーダー)
2020

『スーパー望遠鏡「アルマ」の創造者たち─標高5000mで動き出した史上最高の“眼”』
- 山根 一眞(著)
- 日経BPコンサルティング 2017年
138億光年先を見る望遠鏡 技術を支える日本のモノづくり
視力6000。圧倒的性能で、130億光年以上遠くの天体が放った電波をとらえるスーパー望遠鏡アルマ。野ざらしの工場にはじまり、チリの標高5000mに設置され、ビッグバン直後の電波を観測するまで。大手機械メーカー、町工場、研究者など、関係者への緻密な取材で描く30年の挑戦物語。

推薦コメント
私は、本書の主役であるスーパー望遠鏡「アルマ」を使って研究をしています。アルマはそれまでの電波望遠鏡と比べて桁違いに視力が良く、見えなかった世界が広がるのです。この本で著者は30年にわたる日本の開発現場を追い、天文学者やメーカー、町工場などに取材しています。みんなが夢に向かって尋常でない労力をかけて完成させた、その熱を感じてほしいです。
坂井 南美(開拓研究本部 坂井星・惑星形成研究室 主任研究員)
2020

『たんけん絵本 種子島 ロケット打ち上げ』
- 濱 美由紀(作・絵)
- 小学館 2017年
ロケット発射場に潜入取材!イラストで学ぶ宇宙開発の現場
日本最大のロケット発射場「種子島宇宙センター」に潜入!「なぜ種子島にあるの?」という疑問に始まり、ロケットの組み立て、運搬、発射までをイラストで臨場感たっぷりに紹介。部品を作る町工場や、大型ロケット組立棟、発射管制室などで、働く人々の姿がかっこいい。宇宙開発の技術にワクワクする絵本。
2020

『宇宙の謎に迫れ!探査機・観測機器61』
- 小谷 太郎(著)
- ベレ出版 2020年
何をどのように観測してる!?メカを知れば宇宙開発がわかる
ディスカバー、ボイジャー、はやぶさ、スーパーカミオカンデ……。急速に発展する宇宙研究は、探査機や観測機器が支えている!いまこの瞬間も働き調査し続けている61のスペシャルな機器を全紹介。各国が威信をかけて行う宇宙開発の最前線がよくわかる。メカ好きならずとも手に取ってほしい。

推薦コメント
今宇宙で稼働している望遠鏡や人工衛星が一覧できて、最先端の宇宙事業を眺めるにも適した本です。宇宙は未だに多くの“未解明”に満ちていて、そこがおもしろい。ブラックホールを観測した理研のMAXIや、私が以前NASAで開発したNICERが載っているのも感慨深いです。
榎戸 輝揚(開拓研究本部 榎戸極限自然現象理研白眉研究チーム 理研白眉研究チームリーダー)
2020

『宇宙探査ってどこまで進んでいる?─新型ロケット、月面基地建設、火星移住計画まで』
- 寺薗 淳也(著)
- 誠文堂新光社 2019年
火星に住む日は近い!?宇宙開発の「いま」を知る!
人類が宇宙に探査機を打ち上げてから約60年。近年話題の「月旅行」や「火星移住計画」はどこまで現実的になってきている?月や火星に関する基本知識から、探査にかかる時間やお金、各国が計画している宇宙開発のロードマップまで。写真やイラストで見開きごとに紹介する入門書。
2020

『人類、宇宙に住む─実現への3つのステップ』
- ミチオ・カク(著)斉藤 隆央(訳)
- NHK出版 2019年
まず月や火星に入植。同時に人体改造。人類生き残り計画
人類はいずれ、地球を後にしなければならないー。自然の脅威や小惑星衝突の危険性、太陽にも寿命がある。さあ、宇宙に移り住む準備をしよう。まずは月と火星に入植し、並行して人体改造……。理論物理学の第一人者が、最新の技術や理論をもとに、宇宙移住の実現に向けて3ステップで解説する。