選書アドバイザー 入來 篤史

入來 篤史
生命機能科学研究センター 象徴概念発達研究チーム チームリーダー
1986年東京医科歯科大学大学院修了。同学歯学部生理学教室助手、ロックフェラー大学助手、東邦大学医学部生理学教室助手、講師、助教授、東京医科歯科大学大学院教授を経て、2004年より理化学研究所。現在、生命機能科学研究センター・チームリーダー。歯学博士、博士(医学)。専門は認知神経生物学。
10代の若者へのメッセージ
Study nature, not books.
科学と読書
- Q. あなたにとっての「科学道の本」は?
- A. 理科の図鑑(小学館)
物心ついた時から常に手の届く範囲に置いて、いつも眺めていたようです。 - Q. 無人島に1冊持っていくなら?
- A. 『ガリア戦記』(カエサル)
人間と自然の向き合い方、人間社会の中での人の振る舞い。それらの明解な分析と実行、そして簡明な記述。世界史を創った自然現象としての「人間」に思いを馳せていたい。 - Q. どんな科学者にも会えるとしたら、誰に会いたいですか?
- A. 麻田 剛立(江戸時代の天文学者)
麻田 剛立に、「天下とは何でしょうか?コペルニクスやケプラーを知っていましたか?」と聞いてみたい。
担当テーマ
科学道100冊 2022 科学史タイムトラベル
推薦本
2022

『世界を変えた150の科学の本』
- ブライアン・クレッグ(著)石黒 千秋(訳)
- 創元社 2020年
科学書はこれまでもこれからも人類の進歩を照らす灯火だ
科学の知識は、本に記述され、人々に伝わってこそ大きな進歩を遂げる。古代エジプトのパピルスに始まり、ダ・ヴィンチの手稿、ガリレオの『星界の報告』、ダーウィンの『種の起源』、レイチェル・カーソンの『沈黙の春』など、2500年の科学書の歴史を、カラー写真で振り返る。印刷の発展や本のデザインも見どころ。
推薦コメント
Study nature, not books. ールイ・アガシー(スイス・1807-1873)
科学者たるもの、何かを追究するなら、まずは「本物の実物」を無心に眺めることから始めるべきだ。この本では「世界を変えた科学」の原典を見ることができる。抽出された結果の情報のみからでは得られない、科学のパイオニア達の情念・息吹・葛藤・逡巡など、その時代の心の内面に思い馳せる入口となる。Bookでありながら、ただのBooksでは無い。