1. Home
  2. 広報活動
  3. 科学道100冊
  4. 選書アドバイザー

選書アドバイザー 南出 泰亜

南出 泰亜の画像

南出 泰亜
光量子工学研究センター テラヘルツ光源研究チーム チームリーダー

近赤外レーザー光を光量子変換して、テラヘルツ波を発生させる研究を行っている。大型装置級の高輝度なテラヘルツ波を結晶内で発生させることに成功し、手のひらサイズで高出力な新しいバックワードテラヘルツ波パラメトリック発振の発見をした。非破壊検査への応用が期待されている。

10代の若者へのメッセージ

「なぜ」「どうして」を考えることを大切にしてほしいです。

科学と読書

Q. 無人島に1冊持っていくなら?
A. 『時間順序保護仮説』(スティーヴン・W・ホーキング)
宇宙論だけでなく、物理全体をわかりやすく解説しています。読むだけで、いろいろな考えが想起されます。特に決定論と自由意志の議論が見どころ。自分のこれまでの研究でアップデートされた知識で、無人島でじっくりと考えてみたいですね。でもその結果研究に戻りたくなるでしょうね。
Q. どんな科学者にも会えるとしたら、誰に会いたいですか?
A. マクスウェル、ポアンカレ
マクスウェル方程式をつくり電磁気学の基礎理論を確立したマクスウェル。フランスの科学哲学者、アンリ・ポアンカレにも興味があります。

担当テーマ

科学道100冊 2022 光を追いかけて

推薦本

2022

鏡の中の物理学の画像

『鏡の中の物理学』

  • 朝永 振一郎(著)
  • 講談社 1976年

量子の世界のロジックとは?朝永 振一郎による物理学入門

鏡の中の世界と現実世界はどう違う?ノーベル物理学賞受賞者・朝永 振一郎による物理の名篇3本を収録。「光子の裁判」は、光子(光の粒子)を被告人に見立てた法廷劇を通じて、量子力学の二重スリット実験の不思議を描いた名作。

推薦コメント

ノーベル物理学賞を受賞した著者が、身近な「鏡」に映り込むさまざまな物理現象から真理に迫ります。マクロからミクロまで幅広いスケールの物理について、平易な表現で語られているので、結果を予想しながら楽しんで読んでほしいです。また、裁判劇風に語られる「光子の裁判」は有名で、光の波と粒子の二重性を理解する入門書としておすすめです。

Top