選書アドバイザー 石坂 香子

石坂 香子
創発物性科学研究センター 電子状態スペクトロスコピー研究チーム チームリーダー
レーザーや電子を駆使した計測で物質の内部を覗き、量子力学的な粒子たちが織り成す新機能を探求する研究をしています。子どもの頃はいわゆる本の虫で、伝記、科学読み物、図鑑、小説などを家や図書館でよく読んでいました。
10代の若者へのメッセージ
挑戦しつづけることを大切にしてください。
科学と読書
- Q. あなたにとっての「科学道の本」は?
- A. ぱっと出てきません。特に1冊の本が何かのきっかけになったということはなく、蓄積のような気がしています。
- Q. どんな科学者にも会えるとしたら、誰に会いたいですか?
- A. アインシュタインに会って、光量子仮説を発想したときのエピソードを聞いてみたいです。
担当テーマ
科学道100冊 2022 光を追いかけて
推薦本
2022

『光の量子コンピューター』
- 古澤 明(著)
- 集英社インターナショナル 2019年
量子コンピューター開発の鍵を握る「光」の技術
激化する量子コンピューターの開発競争。さまざまな方式が模索されているが、著者は日本発である「光を使う量子コンピューター」の実現を目指している。量子力学の基本から、光の可能性、実現に向けたカウントダウンまで、研究の最前線に胸が高鳴る。
推薦コメント
光の持つ特徴をフルに使った量子コンピューターの解説。文章から垣間見える著者の情熱も見どころです。ノーベル物理学賞が「量子もつれ」や「ベルの不等式」に授与された2022年、ぜひ手に取ってみてください。
2022

『「電波と光」のことが一冊でまるごとわかる』
- 井上 伸雄(著)
- ベレ出版 2018年
電波と光は電磁波ファミリー 基礎から最先端まで一挙に紹介
電波も光も、電磁波の一種だ。テレビ、Wi-Fi、気象レーダーなど、我々の生活を支える「電波」から、光通信、半導体レーザー、量子コンピュータなど、「光」の最新技術まで。電磁波の基礎から、来る光工学の時代まで、一挙に駆け抜ける入門書。
推薦コメント
レーザーを使った技術は多くのノーベル賞の受賞対象となっているだけでなく、いまや身の回りのあらゆる所に使われています。本書籍は電磁波の基本説明から、社会に役立つテクノロジーとしての光まで見渡した、貴重な1冊です。